2021年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 |
浮体工学及び演習
浮体式の海洋建築物を計画する!
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設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 居駒・相田 | 履修期 | 後期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 火曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D21F |
クラス | 海洋建築工学科3年生 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 海洋建築物を計画するにあたり,それを浮体式にすることで計画・設計の可能性は大いに広がるはずである。海面に構造物を浮かべるために必要な基本事項を修得しながら,安定性を考慮した上で浮体式建築物や浮体式建築空間を計画できる。 フローティングハウスを安定的に浮かべる,水平に浮かべる計画をできるようにすることが目標である。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義ビデオおよびライブの同時双方向授業を併用する。 計算が必要な項目については板書(動画・ライブ)にて理解を深めるための解説を行う。 基礎的な計算問題を演習することで,浮体の安定性の取り扱いを理解したうえで,模型を製作してもらう。この模型について各自より設計ポリシーや特徴を発表してもらう。 毎回のリアクション・シートへの回答が必要となる。 |
履修条件 | 海洋流体力学Ⅰの浮力程度は必須である。 建築物を浮かべて計画することに強い興味をもつ者 |
授業計画
第1回 | 授業ガイダンス+浮体の設計の考える・・・ 【事前学修】:海洋構造物についてWEB検索により,どのような用途があり,どのような構造形式があるかをノートにまとめる。(150分) 【事後学修】:講義内容の整理と演習問題(150分) |
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第2回 | 海洋波の取り扱いの復習と波の分散関係 【事前学修】:水波工学Iで修得した分散関係式の復習(150分) 【事後学修】:任意の波周期,水深のときの波長・波数を効率的に求めるツールを整備する(150分) |
第3回 | 浮体式海洋構造物の種類と設計上の特徴 【事前学修】:海洋資源と開発技術などで修得した各種浮体式構造物の形式を復習する(150分) 【事後学修】:それぞれの浮体形式と設計上の特徴・固有周期などのノートを整理する(150分) |
第4回 | 浮体の運動学の基礎/静的に浮かせること,浮体の運動の考え方 【事前学修】:静水圧,浮力とその単位や重要との関係を理解しておく。物体の運動方程式の基礎を復習しておく(150分) 【事後学修】:演習問題を復習しながら,講義内容を整理してノートを整理する(150分) |
第5回 | 浮体の設計を考える(考慮すべきこと・規則) 【事前学修】:参考図書#1の浮体の設計に必要な規則を読んで整理する(150分) 【事後学修】:演習問題を復習して完成させながら,国内外の規則と保険制度を整理する(150分) |
第6回 | 浮体の安定性(1)静的安定性のパラメータ メタセンターと浮体が安定して浮くことのメカニズムおよびその計算方法を修得する 【事前学修】:断面一次モーメント,断面二次モーメントを理解しておく(150分) 【事後学修】:演習問題の復習と完成。講義内容についてノートを整理する。(150分) |
第7回 | 浮体の安定性(2)自由水の影響 自由水とは? 浮体内部に存在する自由水と浮体の安定性の関係を知る 【事前学修】:参考図書#1のpp.77-79を読む(150分) 【事後学修】:演習問題の内容について整理すると共にノート作成(150分) |
第8回 | 浮体の安定性(3)重心高さ・傾斜角度 浮体の重心高さ・位置の求め方を修得する。浮体の傾斜角度を求められるようになる 【事前学修】:断面一次モーメント,複合外力によるモーメントの総和を復習(150分) 【事後学修】:演習問題の復習と完成。(150分) |
第9回 | 浮体の安定性(4)風による定常傾斜 風の特徴,風速の鉛直分布と構造物に作用する風荷重を理解する。浮体に働く定常モーメントの簡易計算法と定常傾斜の計算ができる 【事前学修】:浮体の静的安定性と傾斜の復習(150分) 【事後学修】:演習問題内容の再確認と復習。ノートの整理。(150分) |
第10回 | フローティング・ハウスの設計(1) 定常傾斜と人の知覚 定常傾斜が人の知覚に与える影響とフローティング・ハウス 【事前学修】:講義資料を事前によく読むこと(150分) 【事後学修】:住宅を浮かす方法と必要な計算法についてまとめる(150分) |
第11回 | フローティング・ハウスの設計(2) 住宅を浮かす 具体例でみる住宅を浮かせるための設計と構造を理解する 【事前学修】:一般2階建て木造住宅の単位面積当たりの重量を調べる(150分) 【事後学修】:講義内容の整理と模型図面の作成(150分) |
第12回 | フローティング・ハウスの設計(3) SPAR模型の設計 バラスト用ウエイトの配置計画作成とその取り付け。ペットボトルでSPARブイを設計する 【事前学修】:ペットボトル1本を安定して水中で直立させる方法を考える(150分) 【事後学修】:講義内容に沿った,SPAR模型を製作し,安定性を調べる(150分) |
第13回 | フローティング・ハウスの設計(4) 問題の抽出 安定させるための問題点の抽出。構造的強度の把握。 【事前学修】:ペットボトルを指定した方法で用意し,重心高さを求める。また,喫水線の位置を把握しておく。その喫水線まわりの周長さを計測しておく。(150分) 【事後学修】:実験内容と結果等について講義された内容の視点で実施報告書をまとめる。(150分) |
第14回 | フローティング・ハウスの設計(5) 固有周期 固有周期の算定と実際の固有周期の確認。 【事前学修】:指定された固有周期に浮体の横揺れを設定するための方法をまとめる(150分) 【事後学修】:実験結果と設計値の比較と実験実施レポートの作成(150分) |
第15回 | 4本コラム模型+理解度確認テスト 計画・設計・製作したフローティング・ホーム模型についての利用コンセプトと設計法のプレゼンテーション 【事前学修】:フローティング・ホームの利用方法を含めたプレゼンテーション材料の作成(150分) 【事後学修】:全体を通したノートの整理と本授業と海洋建築物設計への適用方法について講義内容を振り返りながらレポートにする。 |
その他
教科書 |
2年生の「海洋資源と開発技術」で使用した教科書を参考図書として利用する。
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参考書 |
日本船舶海洋工学会 『船舶海洋工学シリーズ12 「海洋構造物」』 成山堂書店 2013年 第初版
前田久明,近藤健雄,増田光一 『海と海洋建築』 成山堂書店 2006年 第初版
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成績評価の方法 及び基準 |
講義内テスト50%,演習および課題50% |
質問への対応 | 随時行う |
研究室又は 連絡先 |
居駒・相田研究室(13号館4階 1341室) ikoma.tomoki@nihon-u.ac.jp aida.yasuhiro@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 16:40 ~ 17:30 1341室にて対応する
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学生への メッセージ |
海洋工学分野に興味を持つ学生はもちろん,意匠系を目指す学生にもぜひ受講してもらい科目です。浮体を浮かべるための基礎事項を修得できます。 |