2021年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 | 海洋流体力学及び演習 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 居駒・近藤・相田 | 履修期 | 前期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 金曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D51C |
クラス | 海洋建築工学科2年生 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 海洋建築物をデザインするために必要な水理学の基礎と流体力学への導入部分を理解し,海水や空気の流れや波を取り扱うための基本事項を修得する。特に,圧力と応力の物理量の意味合いや浮体の力学に必要な水圧を静的にも動的な取り扱いの基礎を修得すると共に,演習をとおして実際の実務レベルの計算ができるようになる。 合わせて,将来に流体解析の専門分野を目指すことができるように,流体の理論的な取り扱いの基本を知る。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
教室での対面授業と同時双方向配信のハイブリッド型で実施。 導入科目として扱うため,可能な限り丁寧な解説を試みる。授業は教室での板書あるいはスライド利用による解説とオンラインでの同時双方向配信を同時に行う。 授業の詳細や資料等の配布は海洋建築工学科が運用するmoodleで行う。moodleアカウントを必ず作成し利用すること。 |
履修条件 | 数学と物理の基本的ないくつかの事項が要求される。 (圧力,力,微分積分の表記,三角関数などの知識。ただし,微分積分についてはそれで問題を解くということはない) |
授業計画
第1回 | 講義全体の解説ならびに海洋建築における流体力学の必要性の解説 基本事項: 流体の性質(力学,密度,比重,粘性,表面張力),相似則と次元 【事前学修】:WEBを利用して流体力学,流体力学の応用について検索して全体像を調べてノートにまとめる(150分) 【事後学修】:流体の取り扱い上必要な基本事項を復習し対応ヵ所の教科書ドリル問題を解く(150分) |
---|---|
第2回 | 1-2 流体の圧縮性と表面張力 1-3 流れのとらえ方(粘性と非粘性の考え方) 【事前学修】:教科書の1-2および1-3(pp.18-35)を読んでドリル問題も確認し理解できない部分をノートに整理する(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。演習問題と第1章ワークシートを解く(150分) |
第3回 | 2-1 圧力とその作用の仕方(静的な圧力の性質,パスカルの原理と油圧機) 2-2 マノメータ 【事前学修】:教科書の2-1および2-2を読んでドリル問題の内容も確認する。理解できない部分をノートに整理する。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。ドリル問題を解く(150分) |
第4回 | 2-3 全圧力と圧力中心 2-4 浮力と浮体の安定性 【事前学修】:教科書の2-3と2-4を読みながら簡単な積分法を復習する。ドリル問題の内容と教科書の解説をよく理解し,わからない部分をノートに整理しておく。海洋建築物を海に浮かべる方法:海洋構造物”,"offshore structure"の単語でWEB検索して浮体式構造物について2例以上の仕様と特徴をノートに整理する。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。浮体の安定性について自分で作図をし直してメタセンタ―高さを解説できるようにする。(150分) |
第5回 | 3-1 流れの速度と流れる量 3-2 流れの状態 3-3 連続の式とオイラーの運動方程式 【事前学修】:教科書pp.68-89の範囲を熟読してドリル問題も内容を確認する。理解できないことをノートに整理しておく。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。対応する内容について,第3章ワークシート問題を解きながら,第3章全体を理解しなおす(3-4を除く)(150分) |
第6回 | 中間テストおよびその解説 【事前学修】:教科書pp.8-96と講義内容を復習する(150分) 【事後学修】:テスト内容解説を自身でノートに整理し直す。苦手な個所を復習する。(150分) |
第7回 | 第4章 ベルヌーイの定理 4-1 流体におけるエネルギー保存則 海洋建築の設計とベルヌーイの定理のかかわりの解説 【事前学修】:4-1を熟読し,ドリル問題を解く。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。(150分) |
第8回 | 4-2 ベルヌーイの定理の応用 【事前学修】:4-2を熟読し,ドリル問題を解く。理解できない箇所をノートに整理しておく。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。p.119の演習問題および第4章のワークシート問題を解く。(150分) |
第9回 | 第5章 運動量理論 5-1 基礎理論 【事前学修】:5-1についてpp.121-124を熟読し,これまでの講義内容との関連事項をノートに整理する。また,理解できないことをノートに整理しておく。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。p.124のドリル問題を解く。(150分) |
第10回 | 第7章 物体のまわりの流れ 7-1 流れの中に置かれた物体に作用する力 7-2 抗力 7-3 揚力 【事前学修】:教科書pp.183-206を熟読し理解する。理解できないことをノートに整理する。(150分) 【事後学修】:講義内容を整理して自分のノートを作る。第7章のワークシートを実施する。(150分) |
第11回 | 流体の分類、ニュートン流体、ニュートンの粘性法則、慣性項 (流体は、その数学的性質に応じて様々な流体モデルに分類されている、その体系を理解する。その中で、ニュートン流体を対象に学習するので、ニュートン流体について理解する。) 質量保存則 (流体の圧縮性と非圧縮性の性質を理解し、そのような流体の連続性を記述する連続方程式の意味を理解する。) [事前学習]資料を読んでおくこと。(150分) [事後学習]講義ノートを理解すること(150分) |
第12回 | 粘性流体(1) 2次元:粘性流体の圧力と粘性応力、変形速度勾配 (流体の運動方程式の2次元問題を学習する、粘性流体の応力・変形速度勾配の定義を理解し、流体の応力と流速の関係式を学習する。) 粘性流体(2) 3次元:粘性流体の圧力と粘性応力、変形速度勾配 (流体の運動方程式の3次元問題を学習する、実空間は3次元なので、実現象を理解するための粘性流体の応力・変形速度勾配の定義を理解し、流体の応力と流速の関係式を学習する。) [事前学習]資料を読んでおくこと。(150分) [事後学習]講義ノートを理解すること(150分) |
第13回 | 粘性流体(3) 3次元ナビエ・ストークス方程式 (水や空気などの流体を記述する方程式は、ナビエ・ストークス方程式である。ナビエ・ストークス方程式の誘導、ナビエ・ストークス方程式の性質、適用範囲について学習する。) 粘性流体(4) 水の運動を記述するナビエ・ストークス方程式 (水や空気などの流体を記述する方程式は、ナビエ・ストークス方程式である。ナビエ・ストークス方程式の誘導、ナビエ・ストークス方程式の性質、適用範囲について学習する。) [事前学習]資料の第6回を読んでおくこと。(150分) [事後学習]講義ノートを理解すること(150分) |
第14回 | 浅水長波流れ(1) 流れの近似化、粘性力項 (長波流れを考える場合には、水面上で2次元化した式を扱うと便利である事が多い。連続方程式の誘導、ナビエ・ストークス方程式からの誘導・モデル化の仕方、粘性力の扱いについて学習する。) 浅水長波流れ(2) 浅水長波方程式 (浅水長波方程式を記述するために、保存系・非保存系の表示について理解する。) [事前学習]資料の第8回を読んでおくこと。(150分) [事後学習]講義ノートを理解すること(150分) |
第15回 | 流体の式の解き方 総まとめの確認演習 事前学修:これまでの総復習(150分) 事後学修:演習問題の確認(150分) |
その他
教科書 |
金原粲 『流体力学 ーシンプルにすれば流れがわかる-』 実教出版 2009年 第初版
本テキストは将来にわたり使用できるレベルの名著であり,「水」にかかわる全ての業務の参考図書となりうる。
|
---|---|
参考書 |
宮井善弘,木田輝彦,仲谷仁志 『水力学』 森北出版 2009年 第1版
|
成績評価の方法 及び基準 |
中間テスト評価(20%) 演習課題 (50%) 理解度評価試験(30%) |
質問への対応 | 講義中でも、研究室でも常時受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
居駒・相田研究室 13号館4階 1341室 ikoma.tomoki@nihon-u.ac.jp aida.yasuhiro@nihon-u.ac.jp 近藤研究室 13号館4階 1352室 kondo.norio@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 16:40 ~ 17:30 1341室にて対応
|
学生への メッセージ |
数学や物理が苦手でも興味を持てるよう努めます。結果,それらの苦手意識を克服できるでしょう。海洋で構造物を設計するため,陸上の風の中で建築物を設計するため,構造物設備で流体を扱う(配管など)ための全ての基礎事項となります。 |