2021年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 |
交通総論
交通まちづくり
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 高村 義晴 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E23P |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | ⑴交通工学・交通計画の基礎知識を使い,交通問題へのアプローチができる. ⑵また近年,重要となっている「まちづくりと交通の関連性の高まり」に対応し,「交通まちづくり」の見方ができ、交通問題をまちづくりの観点からアプローチできるようになる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「オンライン授業」 これまでの行政経験・まちづくり実践をもとに,資料を用意し,それに基づき,パワーポイントを用いながら講義する.また理解を深めるため,授業時間中に演習を行うとともに質問を出す.さらには,国家公務員としての行政経験で得た事例を用い,実際にどのような計画・運用がなされるかについても説明する. |
履修条件 | 身の回りの交通問題に関心をもつとともに,「交通とまちづくりとの関り」についても注目し興味をもつ. |
授業計画
第1回 | ガイダンス この講義の達成目標,内容・受講上の留意点,評価の仕方について説明する.交通・土木・建築の領域とまちづくりが連携・融合することの可能性・重要性について学ぶ. 【事前学習】身の回りの交通問題について調べておくこと(120分) 【事後学習】交通とまちづくりとの関わりについてまとめること(120分) |
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第2回 | 交通とまちづくりとの連携 交通問題に対し,交通分野での対応を越えて,まちづくりとの連携により解決する事例とその可能性について説明する. 【事前学習】交通問題をまちづくりとの連携・融合によりそのようなことが可能となるかを調べること(120分) 【事後学習】授業内容のポイントをまとめること(120分) |
第3回 | 自動車と道路 (1)モータリゼーションの進展 (2)道路整備の現況と計画 (3)道路の役割 (4)道路の種類とその機能 (5)道路交通とその対策 モータリゼーションの進展に伴い交通問題に対応するため,どのように道路整備・交通計画が展開してきたかを外力的に説明する.その中で,東京オリンピックへの対応についても触れる. 【事前学習】道路に関わる交通問題とそのための対応策について考えておくこと(120分) 【事後学習】道路の種類と機能,道路交通上の問題解決策,講義内容についてまとめること(120分) |
第4回 | 交通計画発展の沿革 (1)交通機関の変遷 (2)交通機関の特徴 (3)交通機関の要素 (4)交通需要特性 (5)距離の概念 (6)交通要素の性質 (7)交通計画発展の流れ 自動車を越えて,さまざまな交通機関・交通施設の特性を活かし,交通問題に対応する考え方が,交通計画を発展させてきていることを説明する. 【事前学習】交通機関、交通需要,交通要素について調べておくこと(120分) 【事後学習】交通機関別の特性,交通需要に適した交通機関についてまとめること.それを踏まえ,交通計画がどのような流れのなかで拡充・発展してきたかを整理すること(120分) |
第5回 | 鉄道とまちづくり (1)これまでの鉄道対策と今後の改善策 (2)鉄道の公共性 (3)鉄道とまちづくり (4)私鉄方式による沿線まちづくり(法制度を含む) 鉄道の交通特性・施設特性,さらには鉄道とまちづくりとの連携(鉄道まちづくり)の現状と今後の方向性について説明する. 【事前学習】現在の鉄道を巡る問題を整理しておくこと(120分) 【事後学習】鉄道まちづくり(鉄道とまちづくりの一体的整備)の例と,その効果・意味についてまとめること(120分) |
第6回 | 交通と情報 (1)交通と情報通信の代替・補充・相乗関係 (2)情報技術による交通管理システム (3)ITS(次世代道路交通情報システム) 交通と情報との関りについて説明する.情報システム・基盤の導入により,交通問題の緩和,交通サービスの向上がいかに図られるかを講義する. 【事前学習】交通分野における情報化の現状と意味について整理しておくこと(120分) 【事後学習】道路分野における情報システムの現状,事例,そしてねらいについてまとまること(120分) |
第7回 | 交通と環境 (1)沿道環境 (2)地球温暖化対策と交通政策 (3)バリアフリー 現下の交通政策・施策において,環境に対する社会的要請,高齢社会に対する要請に対し、いかなる対応・配慮がなされているかを説明する. 【事前学習】沿道環境対策,地球温暖化対策,バリアフリー対策の具体例を整理しておくこと(120分) 【事後学習】沿道環境対策,地球温暖化対策,バリアフリー対策として考えられる方法を体系的に整理すること(120分) |
第8回 | 四段階交通需要推計① 四段階推計法に基づく発生集中交通量の基礎を学習する.具体的には,交通需要推計の必要性,対象,交通ネットワークの表現方法,交通量のはかり方などの基本的な事項を説明した後,トリップの概念と断面交通量について説明する. 【事前学習】四段階推計法の意味と必要性について整理しておくこと(120分) 【事後学習】基本となる「人の交通行動」のモデル化,「交通の発生・集中」現象のモデル化についてまとめること(120分) |
第9回 | 四段階交通重要推計② 四段階推計法に基づく発生・集中交通量,分布交通量の推計の方法を学習する. 【事前学習】発生・集中交通量,分布交通量の意味と必要性を整理しておくこと(120分) 【事後学習】発生・集中交通量推計,分布交通量推計の基本的考え方と代表的推計モデルを整理すること(120分) |
第10回 | 四段階交通需要推計③ 分布交通量・配分交通量の推計に関して,解説する.OD表の作成に関する演習を行う. 【事前学習】分布交通量・配分交通量の意味と必要性を整理しておくこと(120分) 【事後学習】分布交通量・配分交通量推計の基本的考え方と代表的推計モデルを整理すること(120分) |
第11回 | 総合交通体系・交通需要管理(TDM) 四段階交通需要推計による総合交通体系(個別計画含む)と交通需要管理(TDM)について説明する. 【事前学習】交通需要管理の意味と必要性を整理しておくこと(120分) 【事後学習】総合交通体系と交通需要管理について学習した内容を整理すること(120分) |
第12回 | 交通流と交通工学・道路設計 交通流・交通容量・渋滞等に関する理論,それを踏まえての道路の設計の基本的考え方を説明する. 【事前学習】交通容量,渋滞の原因について調べておくこと(120分) 【事後学習】授業内容を自分で整理し,理解すること(120分) |
第13回 | 公共投資基準(B/C)・そこに潜む課題 現下の公共施設の整備基準(我が国の投資基準)について説明する.あわせて改めて道路の整備効果を明らかにし、そこから漏れているものについても補足する. 【事前学習】公共投資基準(B/C)について調べておくこと(120分) 【事後学習】授業内容を自分で整理し,理解しておくこと(120分) |
第14回 | 交通工学・交通計画とまちづくりの関係(総合交通戦略) 新たに登場した総合交通戦略の基本的考え方とそのポイントについて説明する.簡単な事例も紹介する. 【事前学習】交通まちづくり(交通とまちづくりとの関わり)のための総合交通戦略についてその意味と内容を調べておくこと(120分) 【事後学習】総合交通戦略の考え方,作成の仕方について整理すること(120分) |
第15回 | 交通まちづくりの今後の課題と展望(講義の総括) 交通とまちづくりとの連携がもたらす効果,今後の社会ニーズへの対応,課題と展望について説明する. 【事前学習】これまでの講義で学習した内容を整理しておくこと(120分) 【事後学習】これまでの講義内容を踏まえ,身近な交通問題を取り上げ、その解決方法を「交通まちづくり」の考えも導入しつつまとめること(120分) |
その他
教科書 |
特に教科書は使用せず,資料を用意する.
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参考書 |
なし
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成績評価の方法 及び基準 |
・定期試験は行わず,代わりにレポート課題を提出する.この課題提出は2回実施する。配点は,80点満点(40点×2)とする. ・このほかに毎回の課題提出を課し、20点満点で評価する. ・出席確認(毎回の課題提出の有無)が7割未満の者は,特別な理由が認められない限り,単位認定の対象とはしない. |
質問への対応 | 授業終了後のほか,メールでも質問を受け付ける. |
研究室又は 連絡先 |
E-mail:takamura.yoshiharu@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 12:45 ~ 13:15 髙村研究室
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学生への メッセージ |
現下の交通問題への解決には,まちづくりとの関わりが求められてきている.現在,土木や建築の領域で発生している問題に,まちづくりが関わることで,その解決の可能性が格段に拡大することを知り,自分で説明できるようにして欲しい. |