2021年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 | まちづくり安全工学 | ||
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 田中 賢 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E31P |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 人間行動と、物(環境)との適応ミスを回避するため、人間の行動(集団行動を含む)特性を知り、事故事例をもとに設計の失敗を学習し、安全計画に貢献できる洞察力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「ハイブリッド型授業」 対面授業を行い、その授業をWEBカメラを通じて同時に配信する。内容は必要に応じてプリントを配布して解説、および具体事例を写真や図によって提示する。要所において演習課題を課し、解説する。 建築士としての実務経験をもとに、事故事例をもとに設計の失敗などについて解説し、安全計画に貢献できる洞察力を身につける。 |
履修条件 | とくに定めない。 |
授業計画
第1回 | まちの中で起こる「事故」の現状とその内容 【事前学習】「事故」「事件」「災害」などのキーワードについて、書籍やWeb検索で新聞記事検索を行い興味深い記事を印刷してくること。(120分) 【事後学習】講義内で分類した事故について、回避策を考え、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
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第2回 | 「安全」とはなにか(1) それを担保する考え方とリスクマネージメント 【事前学習】安全ー危険、不安ー安心の2軸で分けられる4象限に入る事例を考えてくること。(120分) 【事後学習】講義内で学んだ事故の発生プロセスをまとめ、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第3回 | 「安全」とはなにか(2) 交通事故防止や医療事故防止から得られる日常事故の予防策 【事前学習】交通事故や医療事故に対する安全対策について新聞記事検索を行い理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】予防安全技術と被害低減技術の具体事例を建築やまちの中で考えておき、学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第4回 | 「安全」とはなにか(3) 裁判事例からまちの安全を考える 【事前学習】建築やまちに関係する事故と裁判事例について新聞記事検索を行い理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】講義内容や配布資料をまとめて、学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第5回 | 日常事故の種類と発生メカニズム(1) 統計データを読む/転倒、転落、墜落、挟まれ、溺水、擦過、衝突、火災など、回転ドア事故について 【事前学習】日常災害について統計データを各自で精読し考察しておくこと。(120分) 【事後学習】講義内で学んだ事故の発生メカニズムを踏まえて、その対策方法について具体策を考えておき、学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第6回 | 日常事故の種類と発生メカニズム(2) 統計データを読む/建築部位 階段、通路、建具、浴室、台所、道路など 【事前学習】日常災害について統計データを各自で精読し考察しておくこと。(120分) 【事後学習】講義内で学んだ事故の発生メカニズムを踏まえて、その対策方法について具体策を考えておき、学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第7回 | 子どもの安全環境 チャイルドレジスタンス/子どもの家庭内・まちでの事故事例を分析する 【事前学習】子どもの安全に関わる事故・クレームの種類と対処法について、雑誌検索や新聞記事検索を行い理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】子どもの事故事例を検証し、対処法をまとめておくこと。その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第8回 | 子どもの安全環境 野育での子どもの事故事例分析、子どもの安全体験施設について 【事前学習】公園や遊具での事故について、雑誌検索や新聞記事検索を行い理解を深めておくこと。(120分) 事後学習】「野育での子どもの事故」の事例を検証し、応急手当・状況把握・連絡調整の段階毎にまとめておくこと。その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第9回 | 事故の予防策(KYTの手法)について 危険予知訓練(KYT活動)について、その本質と実施方法と効果について学ぶ 事前学習】講義内で配布するKYTの手順資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】KYT活動を演習し、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第10回 | 事故の分析について(1) エラーチェーンとSHELモデルについて、その本質と実施方法と効果について学ぶ 事前学習】事前に講義内で配布するエラーチェーンとSHELモデルに関する資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】エラーチェーンとSHELモデルを演習し、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第11回 | 事故の分析について(2) エラーチェーンとSHELモデルについて、その本質と実施方法と効果について学ぶ 事前学習】事前に講義内で配布するエラーチェーンとSHELモデルに関する資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】エラーチェーンとSHELモデルを演習し、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第12回 | 火災について 糸魚川市大規模火災の分析/樹木の防火、その本質と実施方法と効果について学ぶ 【事前学習】講義内で配布するKYTの手順資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】KYT活動を演習し、その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第13回 | 群衆事故と避難 集団における人々の距離と行動、パニック、日常的な事態における人の行動、移動速度、明石花火大会歩道橋事故の分析 【事前学習】講義内で配布した群衆密度と歩行速度などの資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】群衆の歩行速度や群衆流動係数について体感し、まとめておくこと。その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第14回 | 防犯環境設計とテロ対策について 戸建て住宅・集合住宅・公共建築物・公共スペースでの防犯を考え広く犯罪のないまちづくりを検討する 【事前学習】防犯環境設計の資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】歩道橋での群衆による圧死事故について新聞検索などを行い対策をまとめておくこと。その内容を学生間で議論し発表できるようにしておくこと。(120分) |
第15回 | セーフコミュニティとまちの安全への取り組み/理解度確認試験により修得度合いを確認する 【事前学習】第14回講義内で配布したセーフコミュニティの資料を読み、内容を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】理解度確認試験のまとめを読み理解を深める。(120分) |
その他
教科書 |
特になし 教員の自作資料による。
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参考書 |
講義中に別途指示する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業に70%の出席することで、評価対象となる。 授業内でのレポート課題(45%)、最終課題レポート(55%)で評価を行う。 |
質問への対応 | ポータルⅡのQ&Aないしは、田中へメールで質問すること(メールアドレスは初回講義時に明示する)。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎・タワースコラ12階・1212室(田中研究室) |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 田中研究室
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学生への メッセージ |
不慮の事故による死者数は、交通事故による死者数の2倍にものぼっている。こうした事故はその多くが建築、道路、公共施設などの設計や管理によって防止することができる。日常に潜んでいるこれらの危険を知り、設計や管理に反映していくことが、命を守るまちづくりとして重要なことである。 |