2021年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | ロボット工学 | ||
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F35M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | ロボット工学の内容のうち、機械工学に関係の強い領域、すなわち機構学・運動学・動力学・計測制御工学の4つの領域に絞って講義を進める。この講義での学習目標は以下の通りである。 (1)ロボット工学の全体像の概念的理解。 (2)上記4分野の基礎的な知識とロボット工学との関係の理解。 (3)(2)で学んだ内容をごく簡単なロボットの特性解析に適用する能力の習得。 この科目を修得することで,産業用を中心とするロボットの運動解析と制御の基礎について理解することができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
例年は板書を中心に授業を進めておりますが,令和3年度はハイブリッド講義で進めます。隔週で登校する学生に対しては教室で対面授業を実施し,登校できない学生に対してはオンデマンドまたはオンラインで講義を実施します.毎回小レポートを課しますので,CSTポータルで期日までに提出して下さい(レポートの解説は次回の冒頭に行います). |
履修条件 | 剛体力学、行列・ベクトルおよび微分に関する基礎的な知識を修得している事を前提とする(科目でいうと工業力学Ⅰ・Ⅱ、微分積分学、線形代数学に相当)。なお、必須ではないが、メカニクスの基礎,エンジニアリングアナリシス、ダイナミックシステム、フィードバック制御の基礎,線形システム制御,計測工学などを受講しておくと理解が深まる。 |
授業計画
第1回 | ロボット工学の概要 授業の進め方などに関する説明、ロボットの歴史,ロボットの定義、ロボット工学の領域 【事前学習】シラバスおよびテキスト第1章に目を通してくる(60分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(60分) |
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第2回 | 機構学(1) 機構学で用いるリンク系の記号標記、リンク系の自由度 【事前学習】「機構学」について調べてくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第3回 | 機構学(2) グリューブラ-の方程式、代表的なロボット機構の紹介 【事前学習】テキスト第2章に目を通してくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第4回 | 運動学(1) 座標系、座標変換(並進)、角度の定義、座標変換(回転) 【事前学習】「線形代数」で学んだ「行列座標変換」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第5回 | 運動学(2) 「同次変換行列」の導入とその計算、順運動学 【事前学習】テキスト第7章7.1節に目を通してくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第6回 | 運動学(3) 順運動学(続)、逆運動学(『Pieperの方法』の概要紹介) 【事前学習】テキスト第7章7.2~7.4節に目を通してくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第7回 | 運動学(4) 「ヤコビ行列」の導入.リンクパラメータの変化速度と手先位置の変化速度の関係 【事前学習】「微分積分」で学んだ「偏微分」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第8回 | 運動学(5) ヤコビ行列の応用(特異姿勢、静力学的解析) 【事前学習】テキスト第7章7.5節に目を通してくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.また,第1回~第8回の内容をまとめた 第1回まとめレポートを作成する(120分) |
第9回 | 動力学(1) ロボットアームのモデリング、ラグランジュの方程式 【事前学習】「解析力学」について調べてくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第10回 | 動力学(2) ラグランジュの方程式による運動方程式の導出 【事前学習】「マルチボディ・ダイナミクス」について調べてくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第11回 | 動力学(3)/計測制御(1) ロボットアームの運動方程式の行列表現、逆動力学、フィードバック制御の基礎 【事前学習】テキスト第8章8.3節に目を通してくる(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する.課題レポートをまとめ提出する(120分) |
第12回 | 計測制御(2) 関節空間制御、手先空間制御、ロボット用センサ・アクチュエータの紹介 【事前学習】第7回で学んだ「ヤコビ行列」について復習しておく(120分) 【事後学習】講義で学んだ内容を整理し理解する,また,第9回~第12回の内容をまとめた 第2回レポートを作成する(120分) |
第13回 | 問題演習とその解説 【事前学習】第12回の講義で配布される演習問題を解いてくる(180分) 【事後学習】演習問題を説いてみた結果をレポートとして提出する. 解説を見て理解を深める(180分) |
第14回 | 平常試験に相当する課題レポートに関する解説,ロボット工学に関するトピックス ・インピーダンス制御,歩行ロボットの理論などの紹介 ・レポート課題とその実施に関する解説 【事前学習】全範囲を復習する(120分) 【事後学習】課題レポートをまとめ提出する(240分) |
第15回 | ロボット工学にかかる技術者倫理 【事前学習】テキスト第10章に目を通してくる(60分) 【事後学習】講義で解説された内容をふまえて再度ロボット工学について考究する.課題レポートをまとめ提出する(60分) |
その他
教科書 |
松日楽、大明 『わかりやすいロボットシステム入門(改訂3版)』 オーム社 2020年 第3版
分かりやすさと情報量のバランスが取れた好書で入門者に最適。ただし内容的には必ずしも講義の内容をカバーしていないので、必要に応じて適宜プリント等を配付する。講義では手薄な実際的な内容(要素論、設計論など)が豊富なので、講義と合わせるとロボット工学のかなりの部分をカバーできる。
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参考書 |
本多庸悟 『ロボット工学の基礎』 昭晃堂 2003年 第1版
ロボット工学の参考書は世上多々出版されているので、各人吟味の上自分に合った書籍を参照されたい。ここに掲げた参考書は一例であるが、コンパクトな割に内容がよく勘案されており使い易い。講義の内容には(教科書より)むしろこちらのほうが近いので、「講義内容の理解を深めたい」と思う向きには特にお奨めする。
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成績評価の方法 及び基準 |
第2回~第13回のレポート(60%)および第14回の「平常試験に相当する課題レポート」のできばえ(40%)により総合的に評価する。 |
質問への対応 | 対面授業の際はその場で,それ以外の時はメールまたはCSTポータルの掲示板で対応します. |
研究室又は 連絡先 |
渡辺亨 駿河台校舎タワー・スコラ17階S1706室 内線741 toruw@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 10:40 ~ 12:10 タワー・スコラ17階S1706室
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学生への メッセージ |
「ロボット工学」は対象領域が広いので理解するのが大変です。ですが個々の技術領域で見ると機械工学の諸分野と深い関係があり、ロボット工学を学ぶことでそれらの知識を深めることもできると思います。4年後期は履修にはちょっと辛い時期ですが、大変さに見合うやりがいのある内容です。 |