2021年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 |
振動工学Ⅰ
振動の基礎
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F43P |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 機械の性能、信頼性、寿命などを支配するのが振動です。振動問題を解明し、対策を講ずる上で必要な振動工学の基礎知識を得ることがこの授業の目的です。この授業では,振動工学の基本である線形時不変集中定数1自由度系の自由振動と強制振動,および多自由度系の振動について学習します。本科目を修得することによって機械振動の基礎について理解できます. |
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授業形態及び 授業方法 |
例年は板書を中心に授業を進めておりますが,令和3年度はハイブリッド講義で進めます。隔週で登校する学生に対しては教室で対面授業を実施し,登校できない学生に対してはオンデマンドまたはオンラインで講義を実施します.毎回小レポートを課しますので,CSTポータルで期日までに提出して下さい(レポートの解説は次回の冒頭に行います). |
履修条件 | (1)工業力学Ⅱを受講している事が望ましい。 (2)振動工学Ⅱを受講するには,本科目の受講が特に望ましい。 |
授業計画
第1回 | 振動工学を勉強するのに必要な準備知識の確認 ・振動現象とは何か ・身の回りの振動現象 ・機械における振動の弊害 ・講義の進め方 【事前学習】シラバスに目を通しておくこと。(60分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(60分) |
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第2回 | 振動現象のモデリング ・振動現象の分類(自由度,線形/非線形,時変/時不変,自由振動/強制振動, 集中定数/分布定数,確定振動/確率振動) ・振動の要素(慣性要素,復元要素,減衰要素)とそのモデル 【事前学習】テキスト第1章に目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第3回 | 1自由度非減衰振動の自由振動(その1・運動方程式の導出と固有周期) ・慣性力と復元力 ・線形時不変1自由度非減衰振動系の運動方程式 ・固有周期,固有角振動数,固有振動数 【事前学習】テキスト第4章に目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと,第4章の演習問題を解くこと(120分) |
第4回 | 1自由度非減衰振動の自由振動(その2・初期値と時刻歴応答の求解) ・初期値 ・振動の複素数表示 ・時刻歴応答 【事前学習】テキスト第2章13~21ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第5回 | 1自由度減衰振動系の自由振動 ・減衰力(摩擦力,空気抵抗,流体抵抗,構造減衰) ・線形時不変1自由度減衰振動系の運動方程式 ・減衰比 ・ 時刻歴応答 【事前学習】テキスト第2章21~26ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと,第2章の演習問題を解くこと(120分) |
第6回 | 1自由度振動系の強制振動(その1・振動と外力の複素数表示) ・強制力が働いた場合の振動方程式 ・振動と外力の複素数表示 ・過渡応答と定常応答 【事前学習】テキスト第3章32~34ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第7回 | 1自由度振動系の強制振動(その2・周波数応答,共振現象) ・周波数応答とは ・周期的外力を受ける場合の振幅応答 ・共振現象 【事前学習】テキスト第3章34~44ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと,第3章の演習問題を解くこと(180分) |
第8回 | 演習(その1・1自由度系) ・第1回から第7回までの内容を理解するための演習 【事前学習】テキスト第1章~第4章に再度目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】演習の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第9回 | 多自由度振動系の振動(その1・連成振動系,運動方程式) ・多自由度振動系の例 ・連成振動 ・線形時不変多自由度振動系の運動方程式 【事前学習】テキスト第5章に目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと,第5章の演習問題を解くこと(120分) |
第10回 | 多自由度振動系の振動(その2・行列運動方程式,固有値,固有ベクトル) ・線形時不変多自由度振動系の運動方程式の行列表現 ・線形代数の基礎知識の再確認(固有値,固有ベクトル) ・線形時不変非減衰多自由度振動系における固有値問題 【事前学習】テキスト第6章82~84ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第11回 | 多自由度振動系の振動(その3・振動モード,直交性,対角化) ・固有値とモード固有角振動数 ・固有ベクトルとモード形 ・モードベクトルの直交性 ・線形代数の基礎知識の再確認(固有ベクトルを用いた対角化) 【事前学習】テキスト第6章84~86ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第12回 | 多自由度振動系の振動(その4・モード変換,モード等価パラメータ) ・モード行列 ・モード行列を用いたモード変換 ・モードの直交性 ・モード行列の正規化とモード等価パラメータ 【事前学習】テキスト第6章86~92ページに目を通しておくこと。(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと,第6章の演習問題を解くこと(180分) |
第13回 | 演習(その2・多自由度系) ・第1回から第12回までの内容を理解するための演習 【事前学習】第12回で配布する演習問題を解いてみること。(120分) 【事後学習】演習の内容を整理し理解しておくこと(120分) |
第14回 | 「線形時不変集中定数確定振動」以外の振動,平常試験に相当するレポート課題の解説 ・振動工学Ⅱで学ぶ様々な振動(分布定数,非線形など)の紹介 ・レポート課題とその実施に関する解説 【事前学習】テキスト第7章・第8章に目を通しておくこと(120分) 【事後学習】講義の内容を整理し理解しておくこと(120分) 課題レポートを作成する(120分) |
第15回 | 技術者倫理や社会的・経済的課題に関わる振動工学の役割 【事前学習】現代社会において振動工学の果たす役割について考えてくる(60分) 【事後学習】講義で解説された内容を踏まえ再度振動工学の役割について考える(60分) |
その他
教科書 |
小林信之,杉山博之 『MATLABによる振動工学』 東京電機大学出版局 2008年 第1版
この教科書は後期の「振動工学Ⅱ」と共通で使用します。「振動工学Ⅰ」ではおおよそ本書の第1章から第6章にあたる内容を,「振動工学Ⅱ」では第7章以降にあたる内容を学びます。振動工学に関する教科書は多数ありますが,本書は最先端の力学解析理論「マルチボディダイナミクス」を視野に入れた先進的な内容となっております。受講者には購入を強く勧めます。
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参考書 |
背戸一登 『構造物の振動制御』 産業制御シリーズ コロナ社 2006年 第1版
岩壺卓三・松久寛 『振動工学の基礎』 森北出版 2014年 第新装版
背戸一登,丸山 晃市 『振動工学―解析から設計まで』 森北出版 2002年 第1版
振動工学に関する教科書は多数出版されております。ここに挙げたのはそのごく一部です。専門書が置いてある図書館・書店などで目を通し,自分で自分にあった参考書を見つけると勉強がはかどります。
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成績評価の方法 及び基準 |
第2回~第13回のレポート(60%)および第14回の「平常試験に相当する課題レポート」のできばえ(40%)により総合的に評価する。 |
質問への対応 | ①授業終了後 ②オフィスアワー ③メール |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎タワー・スコラ17階S1706室,内線電話番号741 メールアドレス:toruw@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 10:40 ~ 12:10 渡辺研究室S1706室
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学生への メッセージ |
振動工学は工業力学を基礎としています。運動方程式の立て方や簡単な定数係数の線形常微分方程式の解法にも慣れてください。 |