2021年 理工学部 シラバス - 精密機械工学科
設置情報
科目名 | 物理学Ⅰ | ||
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設置学科 | 精密機械工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 浅井 和美 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G21B |
クラス | 2 |
概要
学修到達目標 | 本講義では物理学の基礎である「ニュートン力学」を学ぶ。高校までの物理の学習は公式を覚えることが主だったかもしれないが、本講義では「物理学の考え方」を身に付けることに重きを置く。微積分やベクトルを用いることで、基礎となる「ニュートンの運動の3法則」から「力学現象の各公式」が論理的に導出される過程を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この授業は「ハイブリッド型授業」として実施する。対面授業を行うとともに,その授業の内容をCSTポータルIIから説明動画としても配信する。説明の後に毎回出されるレポート課題を解いて課題レポートとして提出し、提出後に公開される模範解答と照らし合わせることで、自分がどこをわかっていなかったのか確認しながら授業内容の理解を深める。あわせて開講される物理学 I 演習では、自ら演習問題を解くことで、知識の定着を図る。「ニュートン力学」の講義を行う際に、必要に応じて随時ベクトル・微積分・微分方程式などの数学の説明をおこなう。 |
履修条件 | 基礎教育科目。必修科目。 物理学 I 演習を並行して履修すること。 |
授業計画
第1回 | 第0章:序 ガイダンス:この授業で「ニュートン力学」をどう学ぶのか説明する。 ニュートン力学おけるベクトルと微積分の必要性:スカラー量とベクトル量の区別、運動方程式を微分方程式としての表現する意味。 物理量の次元と単位。 数学的準備1:ベクトル、座標系(デカルト座標、極座標、円筒座標)、内積と外積。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。高校数学で習ったベクトルについて復習し、教科書第0章の予習をしておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
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第2回 | 第1章:運動 数学的準備2:微分と積分。 位置ベクトル、変位ベクトル、速度、加速度の概念。 運動の例:静止状態、等速運動、等速円運動、等速度運動、等加速度運動。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】高校数学で習った微分と積分について復習し、教科書第1章の予習をしておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第3回 | 第2章:運動の法則と力の法則 & 第3章:力と運動(1/3) ニュートンの運動の3法則:慣性の法則、運動方程式、作用・反作用の法則。 物体の運動を求めるプロセス:①物体の受ける力と座標系を図に示す、②運動方程式を立てる、③運動方程式を微分方程式として解く、④数学的に得られた解の意味する運動を物理として理解する。 課題あるいは小テストの提出。 一様な重力を受ける質点の運動(1次元運動として自由落下)。 微分方程式の解法1:発見的解法。 課題レポートの提出。 【事前学習】ニュートンの運動の3法則と一様な重力を受ける物体の運動について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第4回 | 第3章:力と運動(2/3) 一様な重力を受ける質点の運動(2次元的運動として斜方投射)。 粘性抵抗力を受ける物体の運動。 微分方程式の解法2:積分を用いた解法。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】斜方投射や粘性抵抗力を受ける物体の運動について予習しておくこと(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第5回 | 第3章:力と運動(3/3) 一様な重力と粘性抵抗力を同時に受ける物体の運動(空気抵抗がある場合の落下運動)。 微分方程式の解法3:特性方程式を用いた解法。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】一様な重力と粘性抵抗力を同時に受ける物体の運動について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第6回 | 第4章:振動(1/2) 単振動:バネの復元力を受ける物体の運動。 単振動を解くための数学:複素平面、複素共役、オイラーの公式、2階線形微分方程式の解法。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】単振動について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第7回 | 第4章:振動(2/2) 減衰振動、過減衰、臨界減衰、強制振動と共振:バネの復元力と粘性抵抗力と強制外力を同時に受ける物体の運動。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】減衰振動、過減衰、臨界減衰、強制振動と共振について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第8回 | 第5章:仕事とエネルギー(1/2) 仕事の定義、運動方程式を経路に沿って線積分する(エネルギー積分)、運動エネルギー。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】仕事の定義、エネルギー積分、運動エネルギーについて予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第9回 | 第5章:仕事とエネルギー(2/2) 保存力、位置エネルギー、勾配の概念、保存力と位置エネルギーの関係、力学的エネルギー保存の法則。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】保存力、位置エネルギー、力学的エネルギー保存の法則について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第10回 | 第6章:質点の角運動量と回転運動の法則 回転運動の記述に適した円筒座標系における運動方程式の表現、回転運動の運動方程式、角運動量保存の法則。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】質点の角運動量と回転運動の法則について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第11回 | 第7章:質点系の力学(1/2) 2体問題:力を及ぼし合う2個の質点の運動。 2体系の運動方程式の表現法:和(重心)の運動と差の運動としての表現、全運動量と全角運動量の時間変化としての表現。 衝突問題。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】2体問題について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第12回 | 第7章:質点系の力学(2/2) 質点系:力を及ぼし合う質点集団の運動。 質体系の運動方程式の中から重要度の高い自由度の表現法:重心の並進運動と重心周りの回転運動としての表現、全運動量と全角運動量の時間変化としての表現。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】質点系の運動について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第13回 | 第8章:剛体の力学(1/2) 剛体の運動方程式、剛体が静止するための条件、剛体の慣性モーメント。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】剛体の運動を記述する方程式について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第14回 | 第8章:剛体の力学(2/2) 剛体の運動の具体例:剛体の固定軸周りの回転運動、剛体の平面運動、歳差運動。 課題あるいは小テストの提出。 【事前学習】剛体の運動の具体例について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
第15回 | 第9章:慣性力 相対運動:加速度運動をする座標系から見た物体の運動。 慣性力、回転するベクトルの時間変化を記述する方程式、回転座標系における運動方程式、遠心力とコリオリ力。 物理学 I の授業のまとめ。 【事前学習】相対運動、慣性力、遠心力、コリオリ力について予習しておくこと。(120分) 【事後学習】CSTポータルIIから公開されているPDFをよく復習し、最後の課題(小テスト)に取り組むこと。(120分) |
その他
教科書 |
原康夫 『物理学基礎(ISBN 978-4-7806-0525-9)』 学術図書 2016年 第5版
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参考書 |
井口英雄、佐甲徳栄、相馬亘、中原明生 『改訂版 理工系のための力学(ISBN978-4-489-02319-4 C3042)』 東京図書 2019年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回提出する課題レポートとまとめの課題の結果で評価する。 ※新型コロナウイルスの影響に伴い変更の可能性がある。変更の場合は授業時に伝達する。 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合、質問内容を整理し随時質問すること。対面授業中だけでなくメールやCSTポータルII「Q&A」などから質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
e-mail : asai.kazumi20_AT_nihon-u.ac.jp(注:_AT_ を @ に変えてください) |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
大学以降、身に付けるべき知識は数限りないので、公式の丸暗記という手法はいずれ破綻します。「理論的な考え方をきちんと身に付けていれば、少数の基礎法則から物理現象の様々な公式を論理的に導出することができる」という物理学の考え方を修得してください。 |