2021年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 飛行力学Ⅱ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 安部 明雄 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H12J |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本講義では,航空機の6自由度運動について取り扱う.本講義を含め一般に飛行力学では,機体を剛体と仮定し運動を記述する.次々に出てくる多くの数式に惑わされがちだが,この仮定による運動の記述は,工業力学の例題の一つに過ぎない. ただし,その運動の記述と制御工学への橋渡しの議論には,航空機の運動を理解し特徴づける上で興味深い豊富なトピックを有している. 航空宇宙機器をはじめとした製造業で誘導制御系の解析・設計業務の基礎知識の取得を目的とする. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
・対面とメディアを併用するハイブリッド型授業で実施します. ・Google Classroomを利用する予定です. ・空欄のある講義ノートを準備します. ・授業動画を視聴しながら,講義ノートの空欄に書き込んで資料を完成させてください. ・理論・式展開が多くなるので,よく復習してほしい. |
履修条件 | 3年生の前期の飛行力学Ⅰの内容は必須,修得している前提で講義を進める.制御工学Ⅰ,制御工学Ⅱ,信号処理との関連は深く,同時に受講して理解を深めてほしい.3年生後期の専門科目であり,それなりの難易度の講義である.また,基礎の数学として微分積分学,線形代数学,微分方程式,工業数学に加えて安部が担当している2年生後期の工業力学Ⅱの3章相対運動,5章剛体の力学の内容は,密接に関連している.これらの科目は,「単位が取得できているかどうか」は目安の一つに過ぎず,自身の理解が十分かどうかを客観的に評価し,必要にならば適宜復習し,改めてその重要性を認識してほしい.これらの知識が不十分なままで単位の取得は,困難である. |
授業計画
第1回 | 運動方程式の導出 【事前学習】並進3自由度・回転3自由度の運動方程式について復習(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し機体の加速度・角運動量の記述を理解する(120分) |
---|---|
第2回 | 機体のキネマティクスの記述 【事前学習】座標変換行列について復習(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し機体のキネマティクスの記述を理解する(120分) |
第3回 | 空気力・空気力モーメントの表現 【事前学習】機体の空気力と空気力モーメントについて復習(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し機体の機体の空気力と空気力モーメントの記述を理解する(120分) |
第4回 | 縦運動の線形近似モデル 【事前学習】多変数のテイラー展開について復習(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し機体の線形近似モデルの導出を理解する(120分) |
第5回 | 12本の支配方程式 【事前学習】これまでの内容と支配方程式との関係を調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し12本の支配方程式の意味を理解する(120分) |
第6回 | 中間試験 【事前学習】第1回~5回までの内容を復習(180分) 【事後学習】試験問題の総括(60分) |
第7回 | 横・方向の航空機の運動の記述 【事前学習】航空機の横・方向運動と必要な物理量を調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,横・方向運動の理解を深める(120分) |
第8回 | 横・方向の運動方程式の線形化 【事前学習】微小擾乱近似と多変数のテイラー展開を復習する(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,運動方程式の線形化の理解を深める(120分) |
第9回 | 横・方向の運動方程式の線形化 【事前学習】微小擾乱近似と多変数のテイラー展開を復習する(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,運動方程式の線形化の理解を深める(120分) |
第10回 | 線形化された運動方程式と状態方程式 【事前学習】現代制御理論における状態方程式について調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,状態方程式の理解を深める(120分) |
第11回 | 線形化された運動方程式と状態方程式 【事前学習】現代制御理論における状態方程式について調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,状態方程式の理解を深める(120分) |
第12回 | 状態方程式と伝達関数 【事前学習】クラーメルの公式等の線形代数の基礎事項を復習(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,状態方程式と伝達関数の理解を深める(120分) |
第13回 | 伝達関数と運動モード 【事前学習】横・方向運動の運動モードについて調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,運動モードの理解を深める(120分) |
第14回 | 横・方向運動の空力微係数の意味 【事前学習】横・方向運動の空力微係数について調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,空力微係数の理解を深める(120分) |
第15回 | 横・方向運動の空力微係数の意味 【事前学習】横・方向運動の空力微係数について調べる(120分) 【事後学習】講義ノートと資料を復習し,空力微係数の理解を深める(120分) |
その他
教科書 |
嶋田有三,佐々修一 『飛行力学』 森北出版 2017年 第1版
|
---|---|
参考書 |
John H. Blakelock,, Automatic Control of Aircraft and Missiles, Jhon Wiley & Sons, 1991, 2 edition
加藤寛一郎、大屋昭男、柄沢研治 『航空機力学入門』 東京大学出版会 1982年
Duane McRuer, Irving Ashkenas, Dunstan Graham, Aircraft Dynamics and Automatic Control, Princton University Press, 1973
|
成績評価の方法 及び基準 |
中間試験と期末試験で70~80%,その他の平常点等を30~20%とする. 中間試験と期末試験の実施日は,みなさんの都合に(テストが集中しない ように)あわせて,相談して決めます. |
質問への対応 | 質問は,Calssroomのコメントかメール,対面の場合は授業の前後か研究室でお願いします. |
研究室又は 連絡先 |
3号館322室 abe.akio@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 14:00 ~ 16:00
|
学生への メッセージ |
私もみなさんと同じ時期に飛行力学・制御工学を学び,この学問を究めることで航空機・宇宙機が手のひらの上で自在に動かせるような感覚を覚え,その後20年この分野で飽きることなく研究を続けています.講義を通して,この分野のおもしろさを認識してもらいたいと思っています. 前期に引き続きメディア授業で大変だと思います.授業の質問に限らず,授業内容への要望等,遠慮せずにメッセージをください.大変な状況だからこそ,みなさんの学習した内容はより価値のあるものになると思います.この難局を,一緒に乗り切りましょう! |