2021年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 材料力学Ⅰ及び演習 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 奥山 圭一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 木曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H41E |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 棒の変形理論の理解を通じて,強度や剛性,応力,歪といった,材料力学の基礎となる概念を理解するとともに,はりに作用するせん断力と曲げモーメントや,はりに生じる曲げ応力の算出法を身につける. |
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授業形態及び 授業方法 |
・実務教員による授業 宇宙往還機や人工衛星,ロケット,航空機の開発経験をもとに,宇宙機や航空機の構造・ 材料の学修に必要な基礎知識について講義する. ・教科書に従って,板書による授業を基本として行う. ・対面とメディアを併用したハイブリッド形式で講義する(予定). ・メディア講義(リモート講義)はGoogle Classroomを使用する(予定). ・第1回,第8回,第9回,第15回を除いて演習を実施する(予定). |
履修条件 | 【未来博士工房対応科目】 授業内容は,「力と運動の物理学Ⅰ」を修得していることと,高校の物理Ⅱ,数学Ⅲを理解していることを前提にしているので,これらについては十分に復習しておくこと. |
授業計画
第1回 | 下記について解説と演習を行う. ① 材料力学Ⅰ~Ⅲの全体の流れの確認 本学科で学ぶ材料力学Ⅰ~Ⅲの全体の流れについて確認する. ② 講義の概要 材料力学Ⅰにおいて学ぶ内容と位置付けについて確認する. ③ 弾性変形と塑性変形 弾性変形と塑性変形の概念について学ぶ. ④ 応力と強度の概念 設計に欠かせない「応力」とその「作用面」について,定義,必要性,ならびに,種類について学ぶ.また,「強度」という概念について学ぶ. 【事前学習】 シラバスの内容をよく読んでおくこと.また,「力と運動の物理学Ⅰ」,高校物理Ⅱ,数学Ⅲを復習しておくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習し,今後の授業の概要を把握しておくこと(150分) |
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第2回 | 下記について解説と演習を行う. 棒に作用する軸力と応力 「フリーボディーダイアグラム」という考え方について学び,作用・反作用の法則を考慮しながら,棒の任意の「作用面」に作用する「軸力」と「応力」を求める方法について学ぶ. 【事前学習】 教科書の第1章「序論(材料力学の概念と目的,材料力学における基本的な考え方)」を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第3回 | 下記について解説と演習を行う. 棒の伸びと歪と応力(1) 「歪」の概念と定義について学び,棒に引張力を作用させた場合の棒の変形,ならびに,棒に生じる「応力」と「歪」との関係について学ぶ.そして,材料力学Ⅰで学ぶ理論の適用範囲について確認する. 【事前学習】 教科書の第1章「序論(応力とひずみ,応力とひずみの関係式)」を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第4回 | 下記について解説と演習を行う. 棒の伸びと歪と応力(2) 棒に様々な力が作用した場合の棒の「変位」の算出法を学ぶ. 【事前学習】 教科書の第1章「序論(工業材料の機械的性質,安全率)」を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第5回 | 下記について解説と演習を行う. 棒の伸びと歪と応力(3) 複数の棒をピンで結合した「トラス構造」について学び,「静定トラス」に外力を作用させた場合に棒に生じる「応力」や,結合点の「変位」の算出法を学ぶ. 【事前学習】 教科書の第2章(引張と圧縮の静定問題)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第6回 | 下記について解説と演習を行う. 棒の伸びと歪と応力(4) 前回の発展として,「不静定トラス」に外力を作用させた場合に棒に生じる「応力」や,結合点の「変位」の算出法を学ぶ.また,「静定トラス」も含め,より複雑な「トラス構造」の「変位」の算出法を学ぶ. 【事前学習】 教科書の第2章(引張と圧縮の不静定問題)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第7回 | 下記について解説と演習を行う. 棒の伸びと歪と応力(5) 棒に作用する「熱応力」,また「自重を考慮した棒の応力と変形」について学ぶ. 【事前学習】 教科書の第2章(熱応力,自重を考慮した棒の応力と変形)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第8回 | 中間試験(中間演習試験)を行う. 試験は対面あるいはメディア(リモート),もしくはその両方を併用したハイブリッドで行う予定で,実施要領は第7回講義時に説明する. 復習 これまでの内容を復習する. 【事前学習】 これまでの授業内容を復習しておくこと.(240分) 【事後学習】 授業内容を復習すること.(60分) |
第9回 | 下記について解説と演習を行う. 梁に生じる応力と曲げモーメント(1) 「はり」について学び,「棒」と「はり」の違いを理解する.また,「はり」に外部荷重を作用させることで発生する「曲げ応力」と「せん断応力」について学ぶ.また,固定支持や単純支持,集中荷重や分布荷重などの支持方式や外部荷重の違いにより材料内部に発生する「曲げ応力」,「せん断応力」がどう変化するかも学ぶ. 【事前学習】 教科書の第3章(はり,せん断力と曲げモーメント)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第10回 | 下記について解説と演習を行う. はりに生じる応力と曲げモーメント(2) 様々な支持方式,外部荷重における「せん断力図(SFD)」と「曲げモーメント図(BMD)」の考え方,ならびに描画法を学ぶ. 【事前学習】 教科書の第3章(せん断力図と曲げモーメント図)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第11回 | 下記について解説と演習を行う. はりに生じる応力と曲げモーメント(3) 第10回に引き続き,様々な支持方式,外部荷重を受けるはりの「せん断力図(SFD)」と「曲げモーメント図(BMD)」の考え方,ならびに描画法を学ぶ. 【事前学習】 教科書の第3章(せん断力図と曲げモーメント図)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第12回 | 下記について解説と演習を行う. はりの応力(1) 「曲げ応力」について再確認し,曲げを受けるはりの設計法の基礎について学ぶ. 【事前学習】 テキストの第4章(はりの応力,曲げ応力)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第13回 | 下記について解説と演習を行う. はりの応力(2) 「断面二次モーメント」,「断面係数」の定義およびその計算法を例題を通じてマスターする. 【事前学習】 テキストの第4章(断面二次モーメントと断面係数)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第14回 | 下記について解説と演習を行う. はりの応力(3) 第13回に続いて,複雑な「断面二次モーメント」,「断面係数」の計算法を例題を通じてマスターする.また,平行軸の定理による断面二次モーメントの算出法についても学ぶ. 【事前学習】 教科書の第4章(はりのせん断応力)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(150分) |
第15回 | 「総括と演習」(期末試験)を行う. 「総括と演習」(期末試験)は対面あるいはメディア(リモート),もしくはその両方を併用したハイブリッドで行う予定で,実施要領は第14回講義時に説明する. 新型コロナウィルス感染対策などのため,「総括と演習」(期末試験)の実施要領は見直されることが予想され,この場合は事前に学生に連絡する. はりの応力(4) 温度差によって曲げられたはりの熱応力について学び,材料力学Ⅰ講義の後半(第9回から第15回)で学んだ全体について復習する. 【事前学習】 教科書の第4章(曲げによるはりの熱応力)を読んでおくこと.(150分) 【事後学習】 第9回から第15回までの授業内容を復習しておくこと.(150分) |
その他
教科書 |
名前 : 要説 材料力学(ISBN-10 : 4817302224,ISBN-13 : 978-4817302229),
著者 : 野田直剛他,
出版社: 日新出版,
【この教科書は,衛星やロケット,航空機などの開発の現場でも使用できるとても良い本です.お勧めです.】
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
棒の変形理論の理解を通じて,強度や剛性,応力,歪といった,材料力学の基礎となる概念を理解し,はりに作用するせん断力と曲げモーメントや,はりに生じる曲げ応力を算出できるかを評価する. 成績評価は「材料力学Ⅰ演習」とあわせて行い,中間試験(中間演習試験)と期末試験(総括と演習)で70%から80%,平常点等(宿題など)で30%から20%として利用して行う.(予定) 新型コロナウィルス感染対策などのため,講義,中間試験,期末試験の実施要領は適宜見直されることが予想され,この場合は事前に学生に連絡する. |
質問への対応 | 随時,メールにて受け付けています. |
研究室又は 連絡先 |
研究室:327B室 E-mail:okuyama.keiichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 17:00 ~ 19:00 327B室
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学生への メッセージ |
過去に発生した宇宙機や航空機の不具合は,材料力学の知識で防ぐことができたものが少なくありません.これら不具合を未然に防ぐため,材料内部の応力,せん断力,曲げモーメントなどを実感できることが大切で,この能力を涵養するためには,多くの演習問題を自ら解き,理解することが望まれます. また,宇宙機や航空機などの実際の設計事例を自ら調査研究すると面白いと思います. |