2021年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 物性の基礎 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 松田 健一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I12M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本講義では、物質の示す様々な巨視的な特性を知るために「熱力学」を中心に学ぶ。熱力学は、非常に普遍的な理論体系を持っており,材料・物性全般に対する共通する一般論を与えてくれる.最近では、生物学、地球科学、情報科学,経済学などの理解の助けにもなっている。この「熱力学」の基礎を習得することを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面(ハイブリッド型)の講義を行います.ただし,社会情勢によってはオンデマンド型のオンライン講義に切り替える場合があります. |
履修条件 | 令和2年度入学者,および令和3年度2年次編入学生向けの講義とする. 平成元年度以前の入学者,および令和3年度3年次編入学生が履修を希望する際には 履修届け出の前に担当教員に申し出て指示を受けること. |
授業計画
第1回 | 「熱」、「温度」、「エネルギー」、「仕事」などの基本的な語彙の物理学的な意味を説明し、物質と熱現象の例を示す。「熱平衡状態」についても説明する。講義全体の計画についても説明する。 【事前学習】高校で学ぶ「熱」に関する部分の復習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
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第2回 | 理想気体の状態方程式について説明する。気体運動の微視的な理論はあとから学ぶこととし、いくつかの熱力学的量の間の関係式や、熱力学的な状態を指定する方法を学ぶ。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第3回 | 「内部エネルギー」について学ぶ。また系の「断熱的変化」の意味についても説明する。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第4回 | 熱力学的所量の微少変化を記述する数学として全微分の概念を説明する。熱力学の第一法則の説明の準備を行う。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第5回 | 「熱力学の第一法則」を学ぶ。系になされる仕事、系に流入する熱量、内部エネルギーの関係を知る。特に全微分の形式を使って記述する方法を学ぶ。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第6回 | 熱力学の第一法則と、それに関連した応用問題について解説する。簡単な例題を解く過程を学ぶことで、法則の使い方を体得する。理想気体に関連した問題や、比熱についても学ぶ。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第7回 | 「熱機関」について説明し、また「カルノーサイクル」、「カルノーの定理」を解説する。「可逆過程」や「不可逆過程」についても解説する。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第8回 | 「熱力学の第二法則」を学ぶ。「トムソンの原理」、「クラウジウスの原理」について解説する。「永久機関」不可能性について考察する. 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第9回 | 熱機関の効率、「エントロピー」の概念を学ぶ。また「熱力学の第三法則」を学ぶ。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第10回 | 熱力学関数について学ぶ。ヘルムホルツの自由エネルギー、ギッブスの自由エネルギー、いくつかの熱力学的諸量について、再確認する。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第11回 | 熱力学的諸量の間の関係について「マクスウェルの関係式」を解説する。微分形式による表記を再確認し、具体的な応用例に当たる。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第12回 | 「相」と「相転移」について学ぶ。「相平衡」などの言葉の意味を理解しつつ、相図を理解できるようにする。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第13回 | 理想気体と分子運動についてまなぶ。古典的な体系としての分子集団に対し、微視的な視点を導入しながら、集団としての性質を予想する手段を考える。「位相空間」などの言葉の意味も理解する。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第14回 | 気体の分子運動について、微視的な視点を導入し、確率・統計てきな手法で系の性質を理解する系統的な手法を学ぶ。ボルツマン因子、エネルギーの等分配則について理解する。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
第15回 | 熱力学の「非平衡状態」への応用を概観する。特に重要な話題として「拡散現象」を取り上げ、不可逆過程への導入部分を学ぶ。 【事前学習】事前に予告された部分の予習.(120分) 【事後学習】講義内容のまとめと疑問点の整理.(120分) |
その他
教科書 |
教科書は指定しないが,参考書の1番目が最も講義内容に即している.参考書の2番目のものもほぼレベルは同じ.
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参考書 |
和達三樹、十河清、出口哲生 『ゼロからの熱力学と統計力学』 岩波書店 2005年
小出昭一郎 『熱学』 基礎物理学2 東京大学出版会 1988年
田崎晴明 『熱力学―現代的な視点から』 培風館 2000年
久保亮五 『大学演習 熱学・統計力学』 裳華房 1998年
戸田盛和 『熱現象30講 (物理学30講シリーズ)』 朝倉書店 1995年
F. Reif 『統計熱物理学の基礎』 吉岡書店 1984年
参考書1は,本講義の内容に近いものである.比較的に初等的な内容について丁寧に解説されている.
参考書2も,本講義の内容に近い.レベルも適切である.
参考書3は,著者独特の視点で熱力学分野を再構成する熱意にあふれている教科書である.
参考書4は,有名な演習書.はじめは例題を解くだけでもよい.
参考書5は,「ソリトン」の研究で著名な著者の個性的な教科書.
参考書6は,出版年は古いが比較的に平易に多くの話題を取り扱っている(日本語版は入手が難しくなっている).
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成績評価の方法 及び基準 |
講義への出席状況,課題やレポートの提出状況等を総合的に評価する. |
質問への対応 | 電子メールやポータルのQ&A機能を使う場合は随時質問受付. また,今後,ZOOMを利用したオフィスアワーを設置予定. 詳細は受講者の意見を踏まえて決定する. (当面は対面での質問は受け付けない) |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎タワースコラ16階,S1615室 TEL : 03-3259-0772 email: matsuda.kenichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 16:00 ~ 18:00
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学生への メッセージ |
数式によって理解するのではなく,想像力を逞しくして具体的な現象に対するイメージをつかむことを優先してください. 簡単な例題にたくさん取り組むことで,基本の考え方が身につきます. |