2021年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | コンピュータシミュレーションⅠ | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 尾崎 亮介 | 履修期 | 前期 |
単位 | 1 | 曜日時限 | 土曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I62M |
クラス | A,B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 電気工学の専門科目では数式を扱うことが多い.その理由の1つとして電気工学で扱う数式には明快な性質や物理的な意味を持っているからである.従って,単純に実験を行うだけでは,様々なコストや機材を無駄にしてしまう事がある.ここ数年のコンピュータ性能向上に伴い,コンピュータを利用した回路設計やシステム設計等が行われて,実験結果の補間等に用いられている.本講義では,電気工学で扱う基礎科目(回路理論や電磁気学等)の問題からはじめ,いくつかの専門科目における物理現象をコンピュータを用いてグラフ表示(可視化)して,様々な数式のもつ物理的な意味を理解するとともに,課題レポートをまとめる力も同時に養うことを目的とする. |
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授業形態及び 授業方法 |
コンピュータや通信関連に加え,種々の数値シミュレーション技法に関する講義を行うが,電気工学の基礎科目で学んだ回路理論や電磁気学で扱った数式を例にとり視覚化して物理現象を理解する事に重点を置く.また,コンピュータに不慣れな学生も考慮して基礎的な事項から話を進める.具体的な授業方法については,第1回目の講義の際に説明する. 授業形態としてはオンデマンド型形式で講義を進める |
履修条件 | 選択科目.コンピュータ全般に関する知識があればよい. |
授業計画
第1回 | 授業の進め方,授業形態,授業方法等について説明する. 数値計算言語(MATLAB,Mathematica,fortran)やOS等の記述言語として用いられるC言語の特徴についてそれぞれ説明し,コンピュータを利用する上での注意事項を講義します. 【事後学習】コンピュータの操作法に関して再度各自確認を行う(60分) |
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第2回 | 数値計算用言語(MATLAB,Mathematica,fortran)の注意事項を講義します.操作方法や実行方法等について復習を兼ねて種々の出力方法を学び,コンピュータによるシステム設計技術などについても紹介する. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第3回 | 一般的な信号について学び,回路の過渡応答で学んできたラプラス変換や逆ラプラス変換について復習し直流回路理論の電圧等における数値シミュレーション波形から物理現象の意味を理解する. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第4回 | 伝達関数に関する数学的な意味を理解し,回路理論や線形システム制御理論などの専門科目で現れる数式による数値シミュレーションからシステム応答の性質を学ぶ(1).またRC微分/RC積分回路を例に取り出力応答やその物理現象について学ぶ. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第5回 | 伝達関数に関する数学的な意味を理解し,回路理論や線形システム制御理論などの専門科目で現れる数式による数値シミュレーションからシステム応答の性質を学ぶ(2).交流回路を例にとり周波数特性解析から物理現象の意味を学ぶ. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第6回 | 信号処理に必要となるフーリエ級数やフーリエ変換の性質や意味を様々な周期信号/非周期信号のシミュレーションから理解する(1). 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第7回 | 様々な信号波形の周波数解析からフーリエ変換の性質や意味を,信号のシミュレーションから理解する(2). 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第8回 | 電磁気学/電磁波工学に関する数値シミュレーションから様々な物理現象を可視化することによりその意味を理解する(1). 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第9回 | レポート課題の問題と提出方法に関する説明を行う. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第10回 | レポート課題の補足説明と質疑応答を行う. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第11回 | 電磁気学/電磁波工学で現れる現象の数値シミュレーションにより物理現象を可視化することにより,出力した物理的な意味を理解する(2). 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第12回 | 周期信号波形を複素フーリエ級数展開式により表現し,周期信号波形のシミュレーション結果からフーリエ級数展開を理解する.また不連続点で現れるギブス現象(オーバーシュート/アンダーシュート)についても理解する. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第13回 | 数値計算で利用される数値微分又は数値積分に関する解析手法の基礎について学ぶ(1).これらの手法を利用して例題を解析する事により物理現象を理解する. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第14回 | 数値計算で利用される数値微分又は数値積分に関する解析手法の基礎について学ぶ(2).これらの手法を利用して例題を解析する事により物理現象を理解する. 【事後学習】講義で与えられた演習問題の復習を行う(60分) |
第15回 | 総合演習課題を説明し講義全体の総括を行う. 【事前学習】講義全体を通して問題の復習を行う(60分) |
その他
教科書 |
上坂吉則 『MATLABプログラミング入門』 牧野書店 2000年
上坂吉則 『Mathematica数値数式プログラミング』 牧野書店 1997年
大石進一 『数値計算』 裳華房
牛島省 『数値計算のためのFortran90/95プログラミング入門』 森北出版 2007年
高井信勝 『MATLAB画像処理入門』 工学社 2013年
椎名洋,姫野哲人,保科架風,清水昌平 『データサイエンスのための数学』 講談社 2019年 第2版
上記の中からいくつかのトピックを取り上げ,適宜該当箇所をコピーしたプリントを配布する予定である.
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参考書 |
斎藤洋一 『信号とシステム』 コロナ社 2003年 第1版
椎塚久雄 『回路システム』 コロナ社 1999年 第1版
今村勤 『物理とフーリエ変換』 岩波書店 2016年 第1版
この他にも電気工学を学ぶための著書が多数出版されていますので,図書館などで手に取って読んで頂くと良いと思います.
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成績評価の方法 及び基準 |
演習課題:50%,レポート課題:50%として,提出された内容を総合的に判断し,S~Dの成績評価を行います. |
質問への対応 | 適宜対応する. |
研究室又は 連絡先 |
授業中に指示する. |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 12:30 ~ 13:00 研究室
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学生への メッセージ |
是非コンピュータという便利な道具を利用して電気工学を学ぶための役に立ててほしい. |