2021年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 電気機器設計 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 五十嵐 和巳 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I62P |
クラス | A,B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 社会に出て、前向きに問題解決に立ち向かえる電気技術者を育成すること。 電磁誘導を原理とする電気機器を設計するときのフローが理解でき、設計上の重要事項が理解できるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
【オンデマンド型授業】メディアを利用して実施する。電磁エネルギー変換機器の基本である変圧器について、仕様や規格に対する考え方や寸法緒元の選定手法および電気的特性の計算方法を講義する。また、実際に電気機器を設計し製品を製作した経験をもとに、物理法則だけでなく工学的な制約事項をどう製品に生かしていくかについて授業を行う。メディア授業では、CSTポータルⅡに教材としてpdfファイルを用意し解説する。各回毎の課題提出により理解度を確認していく。 |
履修条件 | 選択(電気磁気学、電気回路、電力機器、電気材料などの初歩的な予備知識を持ち合わせている方が、より好ましい) |
授業計画
第1回 | 授業方法の説明:メディア授業の方法、出欠の確認方法、連絡先などを説明 講義方針: 講義内容と方針及び単位取得のための評価方法の説明。 企業における電気機器設計業務の重要性と位置づけなどを説明。 幅広い知識習得の心掛けや設計者の倫理なども説明。【事後学習】企業における設計の流れを理解しておくこと(60分) |
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第2回 | 設計準備1: 回転機および変圧器の利用方法、変電所の重要性、電気安定供給の重要性、国内の法律及び国内外の規格、技術用語の定義、などを説明。 【事後学習】法規、規格について配布資料を基にその意味合いを理解しておくこと(60分) |
第3回 | 設計準備2: 設計作業に必要な基礎知識(回転機や変圧器の種類、導電材料、磁気材料、裕度、基準巻線温度の指定など)を説明。 【事前学習】テキストの1~9ページを読んで理解しておくこと。(120分) 【事後学習】銅の抵抗率、耐熱クラス、基準温度の考え方を理解しておくこと。(120分) |
第4回 | 設計準備3: 電気機器の本質(寸法と容量の関係、損失、特性) 設計の基本、設計の基礎原理、電気装荷・磁気装荷。 【事前学習】テキストの14~16ページの問題1、2の数値を確認しておくこと。(120分) 【事後学習】装荷配分については電気機器設計の基礎であるので理解できるまで復習しおくこと。(120分) |
第5回 | 設計方法の説明1: 設計の基礎原理、鉄心・巻線の構造、最近の構造について資料で補足する。 【事前学習】テキストの181~186ページの図を理解し、不明な点は質問できるようにしておくこと。(120分) 【事後学習】鉄心・巻線の構造を理解しておくこと(120分) |
第6回 | 《【レポートの課題発表】》 設計方法の説明2: テキストの変圧器の設計例の解説及び設計注意事項の説明。 【事前学習】テキストの187~192ページの設計例の数値を確認しておくこと。(120分) 【事後学習】テキストは結果のみが記載されているので、各数値の選定方法を復習しておくこと。配電用変圧器の結線、絶縁の名称を理解しておくこと。(180分) |
第7回 | 設計方法の説明3: テキストの変圧器設計例の解説及び設計注意事項の説明(巻線・鉄心の体格、抵抗計算、インピーダンス・電圧変動率計算など) 【事前学習】テキストの187~195ページの設計例の数値を確認しておくこと。(120分) 【事後学習】テキストの特性計算について計算方法を理解しておくこと。(180分) |
第8回 | 設計方法の説明4: テキストの変圧器の設計例の解説及び設計注意事項の説明(銅損、鉄損、効率、無負荷電流、温度上昇など) 【事前学習】テキストの195~200ページの設計例の特性計算を行っておくこと。(120分) 【事後学習】鉄損・無負荷電流についてはテキストとは異なった計算方法を示すので、復習して理解しておくこと。(180分) |
第9回 | 《【設計条件書の配布】》 設計方法の説明5:容量が変わった時の巻線の設計方法を解説(巻線高さの選定方法) 【事前学習】テキスト記載の装荷配分、巻線高さについて理解しておくこと。(120分) 【事後学習】設計条件書を配布するので、内容を理解し不明の箇所は質問できるようにしておくこと。各人の課題に対し装荷配分を行い巻線の巻数を決めておくこと。(300分) |
第10回 | 設計演習1: 実際の変圧器を設計するときの制約事項を設計条件書で解説(電線寸法や絶縁寸法、巻線や鉄心の寸法条件など) 設計の手順と設計注意事項を解説。 【事前学習】テキスト211ページの設計フローを理解しておくこと。(60分) 【事後学習】巻線構成の設計方法を理解し、各人の課題に対する巻線構成を決めておくこと。(300分) |
第11回 | 設計演習2: 設計の手順と設計注意事項を解説。設計書の作成演習。巻線寸法を合わせるための計算方法、インピーダンスを合わせるための計算方法について解説する。 【事前学習】各人の課題について、不明点を質問できるようにしておくこと。(60分) 【事後学習】各人の課題に対する特性計算を行っておくこと。特性が仕様値に入らないときは、巻線設計からやり直して特性が入るようにすること。(300分) |
第12回 | 設計演習3: 提出用フォーマットの配布、提出用設計書を使った設計書記入方法の説明。 【事前学習】レポート作成に当たっての不明点を整理し、質問できるようにしておくこと。(60分) 【事後学習】設計計算を行うときの約束事、設計書記載時の約束事が多数あるので、これらを理解したうえで各人のレポート作成を進めること。(300分) |
第13回 | 《【レポートの提出】・・・NUメールにて回収》:レポート提出の期限は、当日の2時限とします。 レポート回収後、電磁気学と回路網の接点、次元式など設計のまとめを解説。 【事前学習】レポート提出前に設計条件書や有効数字の記入方法に従い再度数値をチェックして設計書に記載しておくこと。(180分) |
第14回 | 各人のレポート(設計書)の傾向と解説。間違いの多かった項目と設計の実務における注意事項や他工程に与える影響について解説。パワーエレクトロニクスと電気機器設計について。設計フローの補足(テキストでは扱っていない技術計算:絶縁強度の計算、短絡強度の計算等)【事前学習】テキスト226から232ページを理解しておくこと。(60分) 【事後学習】各自の設計について、講義で解説した設計の要点を振り返っておくこと。(60分) |
第15回 | 各人のレポートの結果から容量と電気比装荷の関係、銅の占積率等の指標について解説し、設計方法への理解を深める。現在の設計手法(コンピュータ化、設計手法のBlack Box化)への対応。 講義の締めくくり(設計者は、ユーザの安全を最優先に考えなければならないなど) 【事前学習】テキスト233から235ページを読んでおくこと。(60分) |
その他
教科書 |
竹内寿太郎原著 西方正司監修 『大学課程 電機設計学』 オーム社 2016年 第3版
内容:三相同期発電機・誘導電動機、永久磁石同期電動機、直流機、変圧器の基本的設計計算方法が記載されている。 設計計算の概要を知るために適切。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
設計書及び計算書をレポートとして提出させ ①設計書を無修正で製品に展開できるもの ②設計者の意思が確実に製作者に伝達できるものを100%とする。以下、修正の度合いに応じて減点方式を採用する。(締切の日時厳守、遅れは認めず!)(出席が総授業回数の5分の3に満たない場合は履修放棄として取扱い、学業成績の査定を行わない) |
質問への対応 | 質問は、NUメールで受け付けます。回答もメールで行いますが、一週間程度かかる場合があることを承知願います。 |
研究室又は 連絡先 |
NUメールアドレス: ikarashi.kazumi21@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
設計は技術者の意思を製品に反映できる素晴らしい仕事です。そのためには、設計者は電気磁気学他の幅広い知識の習得を心掛けなければならない。また、世の中の技術動向に気を配り、新しい情報を入手する必要がある。そして、失敗しても必ず取り戻す気構えが必要。 |