2021年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 電子工学実験Ⅲ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 岩田・佐伯・鈴木(敏) | 履修期 | 年間 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J43D |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 前期は課題実験を通して,各種の機能を有する素子や回路等の動作原理,諸特性について理解を深めると共に,さらに進んで素子や回路の設計・製作が可能となることを目標とする. 後期はグループによるPBL型実験を通して,グループ内で自身の果たすべき役割を自ら創意工夫しつつ見出し,目的を達成する能力を身に付けることをできるようになることを目標とする.(PBL:Project Based Learning) ※本科目はGP対応科目である. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「ハイブリッド型授業」 前期:各実験をグループで行う.実験の順番はグループにより異なることに留意. 後期:ものづくりを主体とした創造開発的実験を行う.各グループで課題 達成に向けて計画的にものづくりを進める. 電器メーカーで学んだ開発技術および,管理職経験を活かし,電子部品の特性や利用方法の指導や問題点の捉え方と解決プロセスを指導する.一方,報告の重要性や報告技術を指導し,社会で生かせる技術を習得してもらう. 医療機器メーカーにて研究・開発経験を持つ教員が,実践から得られたものづくり,および問題解決方法を,学生実験の課題実験やPBL型実験にて,PDCAサイクルの重要性を常に意識しながら指導を行う. |
履修条件 | 電子工学実験Ⅰおよび電子工学実験Ⅱを履修している事が望ましい. |
授業計画
第1回 | 実験の進め方と諸注意,実験機器の使い方の説明. なおシラバス上にある授業計画の順番は班によって異なるので注意すること. 【予習】実験教科書記載の実験課題項目をよく確認し,必要な申請と設定・環境準備を実施すること. 【復習】実験の進め方やレポートの諸注意などを再度よく確認し,次回以降確実に実施できるようにすること. |
---|---|
第2回 | E-1 フィルタの設計と製作 フィルタの設計法を習得し,特性を測定する. 【予習】実験前に必ず設計し,回路合成,分布定数回路で学習した伝送の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,設計値のとの比較について,Sパラメータのキーワードを必ず用いて,記述すること. |
第3回 | E-2 レッヘル線によるインピーダンス測定 分布定数回路の基本となるレッヘル線を用いて分布定数線路の性質を理解する. 【予習】回路合成,分布定数回路で学習した伝送の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,分布定数回路と等価回路について,記述すること. |
第4回 | E-3 演算増幅器の基礎実験 演算増幅器の特性及び基本回路についての理解を深める. 【予習】電子回路I・IIで学習した増幅器の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,課題において,スルーレートのキーワードを必ず用いて,動作可能範囲につき記述すること. |
第5回 | 4月中の実施内容につき実施,提出されたレポートを元に,ディスカッションと口頭試問を行う. 【予習】提出したレポートの改善・自身の執筆内容を確かに把握しておく. 【復習】指摘事項を踏まえて提出レポートの改善を実施し,学修を進める. |
第6回 | E-4 トランジスタを用いた増幅器の設計と製作 増幅器を設計・製作し,その特性を測定する. 【予習】実験前に必ず設計し,TAや教員に素子値の確認をとること.電子回路I・IIで学習したトランジスタの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】増幅における周波数特性と位相特性について,設計と実計測を比較し記述せよ. |
第7回 | E-5 CR発振回路 発振機構と発振条件を理解する. 【予習】回路理論I・IIで学習した共振回路の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,電子工学実験IIの"LC発振器の特性測定"も踏まえ,議論・記述すること. |
第8回 | E-6 ダイオードおよびトランジスタのスイッチング特性 パルス電圧過渡応答特性の測定から,各素子のスイッチング特性を理解する. 【予習】電子回路I・IIで学習したトランジスタの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,過渡現象の学習内容も踏まえ,スイッチング現象について記述せよ. |
第9回 | 5月までの実施内容につき実施,提出されたレポートを元に,ディスカッションと口頭試問を行う. 【予習】提出したレポートの改善・自身の執筆内容を確かに把握しておく. 【復習】指摘事項を踏まえて提出レポートの改善を実施し,学修を進める. |
第10回 | E-7 半導体素子設計のための時定数・周波数特性 集積回路や半導体素子の特性に影響する少数キャリヤの寿命の測定や,MOS構造のC-V特性を計測・評価する. 【予習】電磁気学,基礎電子物性,電子物性工学で学習した半導体の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,半導体デバイス工学,量子物性工学,光電子機能マテリアルの学習内容と合わせてキャリアと光吸収およびMOS構造について等価回路を踏まえて,記述すること. |
第11回 | E-8 薄膜素子の製作と測定 スパッタ法を用いて薄膜を作製し,薄膜の電気的性質・磁気的性質を理解する. 【予習】電磁気学,基礎電子物性,電子物性工学で学習した薄膜の基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】特に,半導体デバイス工学,量子物性工学,光電子機能マテリアルの学習内容と合わせて薄膜作製,代表的計測方法について,記述すること. |
第12回 | C-1 汎用ICを用いたデジタル回路の設計と製作 簡単な組み合わせ回路を汎用ICを用いて設計・製作することにより,デジタル回路の基本動作を学ぶ. 【予習】実験前に必ず設計し,TAや教員に素子値の確認をとること.論理回路で学習した論理式やカルノー図について復習すること. 【復習】ディジタル回路を参考にしつつ特に,同期式,非同期式の比較について記述すること. |
第13回 | C-2 LabVIEWを用いた自動計測 与えられた測定項目を測定するプログラムを,LabVIEWを用いて作成し計測を行う. 【予習】実験前に必ず設計し,計算機アーキテクチャで学習した処理シーケンスの基本的知識を復習し,何を計測し,評価するか確認しておくこと. 【復習】プログラミング応用を参考にしつつ,特に,GP-IB等のインターフェイスについて復習すること. |
第14回 | 前期中の実施内容につき実施,提出されたレポートを元に,ディスカッションと口頭試問を行う. 【予習】提出したレポートの改善・自身の執筆内容を確かに把握しておく. 【復習】指摘事項を踏まえて提出レポートの改善を実施し,学修を進める. |
第15回 | PBL型実験の進め方と諸注意.前期後半から始まるPBL型実験は,与えられた課題を満足する機器を製作します. 【予習】与えられる課題、対象となる機器の関連情報に対して事前に調査を行う.特にPDCAサイクルについても調べる. 【復習】与えられた課題に対し諸注意を踏まえ、計画・設計行う. |
第16回 | PBL型実験(製作・実験)(各グループで企画した実験を行う.各回の進行状況についてもグループ討論の形式で報告とディスカッションを行う.) 【予習】PDCAサイクルのうち,計画(Plan)を立てる. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第17回 | PBL型実験(製作・実験) と教員やティーチング・アシスタントとの進捗会議 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第18回 | PBL型実験(製作・実験) 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第19回 | PBL型実験(製作・実験) と教員やティーチング・アシスタントとの進捗会議 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第20回 | PBL型実験(製作・実験) 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第21回 | 中間競技会 ここまでに,2符号の通信を確立し,競い合う.更にこれまでの実験における進捗状況を班同士で発表する.テーマ討論と同様に配布資料等を用意すること. 【予習】わかりやすく説明するために配布資料や,モニターに映す資料を用意すること. 【復習】討論で得た助言や観点をもとに計画を修正すること. |
第22回 | PBL型実験(製作・実験) と教員やティーチング・アシスタントとの進捗会議 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第23回 | PBL型実験(製作・実験) 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第24回 | PBL型実験(製作・実験) と教員やティーチング・アシスタントとの進捗会議 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第25回 | PBL型実験(製作・実験) 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第26回 | PBL型実験(製作・実験) と教員やティーチング・アシスタントとの進捗会議 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】実行した事実・測定値に基づき,計画(Plan)と実績(Do)の差異の是正のために行う改善(Act)点を決定します. |
第27回 | PBL型実験(製作・実験) 【予習】PDCAサイクルのうち,前の週の改善(Act)を含めて計画(Plan)を修正する. 【復習】競技会で成果を出すための準備を行う. |
第28回 | 競技会 製作した機器をテストし,結果を競う.必要な機器がある場合は予め連絡すること. 【予習】競技会で機器を確実に作動させるための準備を行うこと. 【復習】競技会の結果を踏まえ,作製した機器の性能と作製工程を総合的に評価すること. |
第29回 | 成果報告会 これまでの実験における総括を発表する.今までの進捗や工程管理,競技会での結果,機器の仕様について説明する. 【予習】わかりやすく説明するために配布資料や,モニターに映す資料を用意すること. 【復習】討論で得た助言や観点をもとに,作製した機器の仕様書と最終報告書を作成すること. |
第30回 | 成果報告会2 前回の討論内容とこれまでの実験におけるプロジェクトの全体を総括を発表する.プロジェクト管理,自身の行動特性につき検討を深める 【予習】最終報告書を作成する 【復習】自身の行動特性につき検討を深める. |
その他
教科書 |
ガイダンス時に配布する.参考書については教科書に記載する.
|
---|---|
参考書 |
必要に応じて各自で調べる.
|
成績評価の方法 及び基準 |
前期:各実験題目におけるディスカッションや実験態度(15%),レポート(35%) 後期:各実験日におけるディスカッション(5%),中間成果報告での評価(12.5%),成果報告会での評価(12.5%),競技会における結果と製作物の技術点(5%),最終レポート(15%) ※ GP対応評価は別途行う |
質問への対応 | 実験中はTA(ティーチングアシスタント)及び担当教員が指導に当たり,質問に対しては適宜対応する. Moodleでも一部対応する. |
研究室又は 連絡先 |
岩田展幸(412号室)・佐伯勝敏(432号室)・吉川大貴(411号室, yoshikawa.hiroki@nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:15 ~ 13:15 佐伯勝敏
水曜 船橋 10:40 ~ 12:10 岩田展幸
|
学生への メッセージ |
実験実習課目であることに留意し, 遅刻は絶対にしないこと. 課題実験ではそれぞれ何を目的として実験を行っているのか理解して取り組むこと. PBL型実験ではグループでまとめた考えを実験を通して形にしていきます.グループによるものづくりの大変さ面白さを体感してください.両実験とも積極的に取り組み,実験を楽しんでください. |