2021年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 無機材料物性 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 遠山 岳史 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L22Q |
クラス | 共通 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | ファインセラミックス,アドバンストセラミックスなどとよばれる無機機能材料が,どのような理論と技術によって開発され,機能発現するのかについて,固体化学の見地から考察できる力を身に付ける。また,キャラクタリゼーションの意味を理解し,これがどのように行われているかを実際の例から体感する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
本講義はオンデマンド形式で行う。なお,授業内容を把握してもらうために毎回簡単な課題を提示するとともに,必要に応じてレポート提出も行う。 |
履修条件 | 無機化学I、II、IIIおよび専門化学実験VIを履修していることを前提とする。 |
授業計画
第1回 | 熱的性質(比熱) 【事前学習】教科書119~122ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,比熱と内部エネルギーの関係について理解すること。(120分) |
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第2回 | 熱的性質(熱伝導) 【事前学習】教科書122~124ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,セラミックスの物性に熱伝導がどのように係わっているのかを理解すること。(120分) |
第3回 | 熱的性質(熱膨張,融点) 【事前学習】教科書124~129ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,融点を支配する因子について理解すること。(120分) |
第4回 | 機械的性質(応力-ひずみ曲線,ヤング率および材料の強度) 【事前学習】教科書130~137ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,応力-ひずみ曲線からヤング率を求める方法を習得すること。(120分) |
第5回 | エンジニアリングセラミックス 【事前学習】教科書137~141ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,エンジニアリングセラミックスと従来のトラディショナルセラミックスとの相違についてまとめておくこと。(120分) |
第6回 | 化学的性質(耐食性) 【事前学習】教科書142~153ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,セラミックスが持つ化学的安定性について理解すること。(120分) |
第7回 | 化学的性質(吸着性と触媒作用) 【事前学習】教科書153~159ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,セラミックスによる分離・精製機構についてまとめること。(120分) |
第8回 | 化学的性質(バイオセラミックスと生体親和性) 【事前学習】教科書159~165ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,さまざまなバイオセラミックスを整理しておくこと。(120分) |
第9回 | 電気的性質(電気伝導性) 【事前学習】教科書165~178ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,固体中の電子移動機構について理解すること。(120分) |
第10回 | 電気的性質(固体電解質と酸素センサ) 【事前学習】教科書178~194ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,半導体の原理について理解すること。(120分) |
第11回 | 電気的性質(誘電体と圧電体) 【事前学習】教科書194~205ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,結晶構造と分極の関係について理解すること。(120分) |
第12回 | 磁気的性質(強磁性と反強磁性) 【事前学習】教科書205~216ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,スピネル構造および逆スピネル構造について整理しておくこと。(120分) |
第13回 | 光学的性質(透光セラミックス,光ファイバーおよび蛍光体) 【事前学習】教科書217~238ページの該当箇所の内容を確認し,理解できなかった用語の意味を調べておくこと。(120分) 【事後学習】授業で学んだ内容を振り返り,発光の種類と原理についてにまとめておくこと。(120分) |
第14回 | 理解度確認試験 CSTポータルIIを用いて試験を行う。このためネットワーク環境の整った場所で受講すること。 【事前学習】講義ノートを参考に勉強をしておくこと。(120分) 【事後学習】理解度確認試験で解けなかった問題について教科書・ノートを読み返し,理解しておくこと。(120分) |
第15回 | 理解度確認試験の解説と無機材料物性全体のまとめ 【事前学習】理解度確認テストにおける自分の解答を把握し,整理しておくこと。(120分) 【事後学習】無機材料のもつ「物性」がどのように世の中に寄与しているのか,自分なりに深耕して,A4 1枚程度のレターにまとめておくこと。(120分) |
その他
教科書 |
荒井康夫・安江 任 著 『ファインセラミックスの構造と物性』 技報堂出版 2004年 第1版
3年前期に開講されている「無機固体化学」と同じ教科書を使います。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
3回のレポートによる評価(15点)のほか,理解度確認試験(85点)により評価する。理解度確認試験はCSTポータルIIのLMS(Learning Management System)機能を利用して行う。なお,レポートへのフィードバックは講義内で解説することによって行う。 |
質問への対応 | 質問は講義終了後に講義教室で直接受け付けるほか,CSTポータルIIの掲示板,メールでも受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館 3階 237室 E-mail:touyama.takeshi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 16:00 ~ 17:00
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学生への メッセージ |
セラミックスの持つマクロな「物性」を理解するには,ミクロな「構造」を理解する必要があります。このため,皆さんは無機化学Iで原子・電子を,無機化学II,IIIでは元素を,無機固体化学では結晶を理解し,ミクロな構造を理解する素地はできています。さらに,専門化学実験VIではセラミックスのマクロな物性を学んでいます。この講義では,これまでの知識を基にこの物性と構造の関係を結び付けます。数式も多くでてきますが,ここまで履修している皆さんであれば理解できるはずです。 |