2021年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 専門化学実験Ⅴ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 伊掛・清水 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3・4・5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L53P |
クラス | A・B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 実験Vはa及びb分野から構成される。実験Ⅴa(高分子材料)では,実験データに基づいた高分子材料の基本的な性質について体得することができる。実験Ⅴb(生化学)では, 卒業研究で汎用するタンパクや遺伝子の取り扱いを体得することができる。それぞれ,実験を通して,観察される事象に対してデータの解析法を学び,その結果を熟考するとともに実験レポートにまとめる。提出した実験レポートに対して評価コメント(フィードバック)するので,自身の考えを文章にまとめる視点と表現技法についても身につけることができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面およびオンデマンド授業で実施する。テーマに沿って実験を行う。第2から7回を実験Va (高分子材料),第8から15回を実験Vb (生化学)として実施する。第1回は実験Vを行うにあたっての全般的な注意と,実験を行う上での安全教育に関する講義を行う。実験指導には,国の機関,教育現場さらには企業で長くこの分野に携わった教員が社会にでて速やかに役立てるような実践的な技術指導を行い,学生はそれを体得することができる。 |
履修条件 | 必修科目なので全員が履修すること。実験Vに関連する講義科目として,次の科目を履修している,もしくは履修されることが望ましい。Va: 高分子物理化学,高分子材料物性,Vb: 生命科学 III,生命有機化学 I,分子生物学。 |
授業計画
第1回 | 「専門化学実験V」の概説 実験を行うにあたっての全般的な注意と,実験を行う上での安全についての講義 【予習】シラバスとテキスト(p.1-7)の内容を確認の上,実験活動に伴う潜在的危険性について考える(60分)。 【復習】実験活動に伴う潜在的危険性について自身の考えをまとめ,理解を深める(60分)。 |
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第2回 | 実験Va(高分子材料)の実験講義 Vaにおける潜在的危険予測と安全教育 【予習】シラバスの内容を確認の上,専門用語等を抜き出し整理しつつ調べておく(60分)。 【復習】実験内容と原理等について整理し理解する。実験操作に潜む危険性についても理解しておく(60分)。 |
第3回 | 高分子希薄溶液の粘性 (高分子鎖の拡がり因子,粘度平均分子量の算出方法について学修する) 【予習】テキスト(p.128 - 133)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第4回 | 静的粘弾性―クリープの実験(高分子材料のクリープ挙動を遅延時間の観点から整理し,学修する) 【予習】テキスト(p.137 - 140)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第5回 | ゴム弾性(ゴムの応力緩和やクリープ挙動を調べ,エントロピー弾性について理解を深める) 【予習】テキスト(p.141 - 143)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第6回 | 結晶性高分子材料の結晶化度―密度法による結晶化度の測定(高分子結晶の形成機構について,アブラミ指数や結晶化速度から考察し理解を深める) 【予習】テキスト(p.144 - 148)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第7回 | 実験データの取扱い方とその解釈方法(実験データの解析法,計算方法や有効数字,単位操作などについて学修する) 【予習】テキスト(p.8 - 11)の単元の箇所を読んで理解し,これまでの実験データを整理し,計算結果(有効数字,単位操作を含む),表やグラフを整える(60分)。 【復習】実験データの解析法で指摘された箇所を再度解析を行う。解析結果の見方や不明な点を自身で調べ,不明な点を明らかにし実験担当教員に質問できるように整理しておく。実験で得られたデータに基づいて,実験レポートにまとめる(60分)。 |
第8回 | 培養細胞取り扱い法の習得と細胞数のカウント. 【予習】あらかじめ配布されたテキストを用いて実験の目的と方法を予習レポートにまとめる(60分)。 【復習】実験で得られたデータを解析するとともに、実測値を用いて考察し、本レポートにまとめる(60分)。 |
第9回 | 細胞分化の観察、タンパクの定量 【予習】あらかじめ配布されたテキストを用いて実験の目的と方法を予習レポートにまとめる(60分)。 【復習】実験で得られたデータを解析するとともに、実測値を用いて考察し、本レポートにまとめる(60分)。 |
第10回 | タンパクの展開(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動) 【予習】あらかじめ配布されたテキストを用いて実験の目的と方法を予習レポートにまとめる(60分)。 【復習】実験で得られたデータを解析するとともに、実測値を用いて考察し、本レポートにまとめる(60分)。 |
第11回 | タンパクの分析(ウエスタンブロット) 【予習】あらかじめ配布されたテキストを用いて実験の目的と方法を予習レポートにまとめる(60分)。 【復習】実験で得られたデータを解析するとともに、実測値を用いて考察し、本レポートにまとめる(60分)。 |
第12回 | PCR法によるDNAの増幅 II(アガロース電気泳動により増幅されたDNAの確認を行う) 【予習】テキスト(p.204 - 205)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第13回 | 遺伝子のクローニング I(増幅されたDNAとコンピテント細胞による形質転換を行う) 【予習】テキスト(p.189 - 193)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第14回 | 遺伝子のクローニング II(形質転換後の大腸菌からプラスミドDNAを抽出,精製,制限酵素処理,アガロース電気泳動により確認する) 【予習】テキスト(p.194 - 196,p.202 - 203)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
第15回 | 遺伝子のクローニング III (上記のIIのcDNA配列を決定するためシークエンス反応とシークエンサーによる解析を行なう。加えて,データベースにより得られた配列の解析を行う) 【予習】テキスト(p.197 - 199,p.210 - 217)の単元の箇所を読んで理解し,実験目的,原理,操作方法をまとめておく(60分)。 【復習】実験データをまとめ,解析内容を理解する。理解できない点をまとめ実験担当教員に質問できるように整理しておく(60分)。 |
その他
教科書 |
岩村秀・角五正弘 監修,大月穣,青山忠,浮谷基彦,遠山岳史,松田弘幸 編 『理工系のための化学実験 基礎化学からバイオ・機能材料まで』 共立出版 2016年 第1版
Ⅴbは「理工系のための化学実験 基礎化学からバイオ・機能材料まで」ではなくあらかじめ配布するテキストを用いて授業を進める。
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参考書 |
化学同人編集部 『実験を安全に行うために [ISBN 978-4-7598-1833-8]』 化学同人 2017年年 第8版
化学同人編集部 『続 実験を安全に行うために−基本操作・基本測定 編− [ISBN 978-4-7598-1834-5]』 化学同人 2017年 第4版
化学同人編集部,日本生物工学会 『バイオ実験を安全に行うために [ISBN 978-4-7598-1921-2]』 化学同人 2018年 第1版
上記の参考書は,実験活動に伴う潜在的危険性を予測する際の参考図書として活用してほしい。
その他については理工学部図書館(お茶の水校舎4階)にも良書が多いので積極的に活用すると良い。
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成績評価の方法 及び基準 |
学生に対する評価 (ⅰ) 実験への準備状況及び実験に取り組む姿勢,積極性(50%)。 (ⅱ) 提出された実験レポート(50%)。 ※実験分野ごとに指定するレポートが1つでも未提出であった場合は,成績評価を行わない。 |
質問への対応 | 実験中及びデータ解析のときに質問に対応する。質問事項は予めまとめてから質問すること。 |
研究室又は 連絡先 |
Va: 伊掛(高分子工学研究室2号館214室),清水(高分子工学研究室2号館225室) Vb: 仁科(生物資源化学研究室2号館208B室),鈴木(物質生命化学研究室2号館228A室) E-mail: ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp,shimizu.shigeru@nihon-u.ac.jp nishina.atsuyoshi@nihon-u.ac.jp,suzuki.yuusuke@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 13:20 ~ 18:10 実験を行った実験室(実験期間中のみ設置)
金曜 駿河台 13:20 ~ 18:10 実験を行った実験室(実験期間中のみ設置)
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学生への メッセージ |
白衣,保護メガネ,方眼紙,直線及び自在曲線定規,関数電卓を持参すること。安全に実験が行える相応しい服装で参加すること(例.長髪は束ねる。爪は適切な長さに切る。薬品が肌に直接触れない服装にする。ヒールやサンダルを履かないなど)。実験日までに,実験テキストを読み,必ず予習すること。操作方法と実験に伴う潜在的な危険性についても意識し理解を深めておくこと。 |