2021年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
微分積分学A
数列・関数の極限、連続関数の理論
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 水野 将司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N41A |
クラス | 1年生は1クラスのみ。2年生以上はクラスによる履修制限はありません。 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 極限を厳密に扱うためのイプシロン-デルタ論法と呼ばれる方法を用いて、高校で学んだ極限に関する様々な定理・公式(はさみうちの定理、中間値の定理やWeierstrassの定理)の導出を説明できるようになる。イプシロン-デルタ論法による数列、関数の極限や関数の連続性の証明をかけるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
ハイブリッド型授業(対面授業ならびに同時配信による同時双方向授業)を行います。 授業、例題解説、問題練習などを行います。 1限と2限の両方を履修する必要があります。 |
履修条件 | 高校までで学ぶ数学をしっかり身につけていることが必要です。 特に以下の内容はよく復習しておいてください。 式の計算、不等式、三角関数、指数関数、極限の計算、数列 |
授業計画
第1回 | 大学の微分積分への導入 : Taylor展開 【事前学習】積の導関数と部分積分法を確認する(3時間) 【事後学習】指数関数、三角関数のTaylor展開を導く(5時間) |
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第2回 | 大学の微分積分への導入 : 微分積分学の基本定理と平均値の定理 【事前学習】平均値の定理について復習する(3時間) 【事後学習】平均値の定理を用いて関数の増減の調べ方を確認する(5時間) |
第3回 | 集合と実数の性質(四則演算・順序) 【事前学習】高校で学んだ集合の書き方について復習をする(3時間) 【事後学習】集合の書き方と実数の四則演算の性質について復習する(5時間) |
第4回 | 上限・下限、実数の連続性 【事前学習】上限と下限の定義について、教科書をよむ(3時間) 【事後学習】上限と下限の定義を復習し、定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第5回 | 数列と数列の極限 その1 【事前学習】数列の収束について教科書をよむ(3時間) 【事後学習】数列の収束についての定義とその定義に基づいた数列の極限の証明の書き方を復習する(5時間) |
第6回 | 数列と数列の極限 その2 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束についての定義に基づいた、極限の性質の証明を復習する(5時間) |
第7回 | 極限と実数の連続性 その1 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束の十分条件を確認し、どのように使うかを復習する(5時間) |
第8回 | 極限と実数の連続性 その2 【事前学習】コーシー列についての定義を確認し、教科書を読む(3時間) 【事後学習】コーシー列の定義と実数の完備性、実数と有理数の違いについて復習する(5時間) |
第9回 | 関数と写像 【事前学習】関数、写像について教科書を読む(3時間) 【事後学習】像と逆像、逆三角関数の計算手法を復習する(5時間) |
第10回 | 関数の極限 【事前学習】関数の極限について教科書を読む(3時間) 【事後学習】関数の収束・発散の定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第11回 | 連続関数 その1 【事前学習】関数の連続について、教科書を読む(3時間) 【事後学習】関数が連続であることの定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第12回 | 連続関数 その2 【事前学習】中間値の定理、有界閉区間上最小値・最大値の存在について、教科書を読む(3時間) 【事後学習】中間値の定理、有界閉区間上最小値・最大値の存在とその使い方を復習する(5時間) |
第13回 | 一様連続 【事前学習】一様連続について、教科書を読む(3時間) 【事後学習】一様連続の定義と定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第14回 | 上極限と下極限 【事前学習】上極限と下極限の定義を確認する(3時間) 【事後学習】上極限と下極限の定義とその使い方を復習する(5時間) |
第15回 | レポート課題の解説 【事前学習】関数の極限、連続とその性質を確認する(3時間) 【事後学習】レポート課題で間違えた問題を確認し、復習を行う(5時間) |
その他
教科書 |
黒田 成俊 『微分積分』 共立講座 21世紀の数学 共立出版 2002年
教科書について2021年入学生は教室で配布するので、各自で購入する必要はありません。再履修生については過去の教科書で対応ができるように考慮します。
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参考書 |
高木貞治 『定本解析概論』 岩波書店 2010年
小林昭七 『微分積分読本』 裳華房 2000年
田島一郎 『解析入門』 岩波書店 1981年
飯高茂 『微積分と集合そのまま使える答えの書き方』 講談社 1999年
上記4冊は、講義では必要としません。希望者が各自購入して下さい。
「定本解析概論」(高木)は難しいですが古今の名著です。
「微分積分読本」(小林)、「解析入門」(田島)、「微積分と集合そのまま使える答えの書き方」(飯高)は, 主に一変数の微分積分学について、自学自習、勉強会等にも使えるでしょう。
その他の参考書は講義中に紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業内課題 60%、レポート 40% |
質問への対応 | 随時。 |
研究室又は 連絡先 |
タワースコラ 14階 S1408 http://www.math.cst.nihon-u.ac.jp/~mizuno/lecture.html mizuno atmark math.cst.nihon-u.ac.jp (atmarkは@にかえてください) |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:10 ~ 13:00 10号館1041教室
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学生への メッセージ |
みなさんが学んでこられた高校の微分積分は実はかなりのレベルです。しかし、その土台となっている、微分積分学の基本定理は実数とは何か?にまで通ずる奥の深い定理です。この講義では実数とは何か、どのような性質をもっているのか?について説明をします。 |