2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 倫理学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山田 忠彰 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P64K |
クラス | 1年生は、土木工学科・まちづくり工学科・電気工学科・電子工学科のみ。2年生以上は学科による履修制限はない。 |
概要
学修到達目標 | AI(人工知能)時代が進展するなかで、人間でありつづけることの可能性を探究する。AGI(汎用人工知能)は出現するのか、道徳的行為者の範囲はAMA(人工道徳的エージェント)にまで拡大するのか?歴史的転換点を生きぬくための人間的倫理を、社会的現実性との関係を踏まえて考察することによって、人間としての「あり方」をめぐる適切な思考力、判断力、そして表現力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド形式で行う。 |
履修条件 | 予備知識は特に必要としない(「ボーッと生き」たくないとおもっている受講生を歓迎)。 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | 「トロッコ(トロリー)問題」とAI 【事前学習(80分)】「倫理」「道徳」ということばの成り立ちについて、調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、身近なAI(コンピュータ、ロボット等)を、倫理的観点からみつめなおし、AMAの可能性について考えてみること。 |
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第2回 | 知能爆発(intelligence explosion)とシンギュラリティ(technological singularity, singularity) 【事前学習(80分)】科学知識の歴史的発展について、概略を描いておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、この歴史的可能性の意味の重さについて、反芻しておくこと。 |
第3回 | 情報(計算、学習)の特質 【事前学習(80分)】情報と物質を比較してみよう。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、情報の特質について、確認しておくこと。 |
第4回 | 統合情報理論と意識 【事前学習(80分)】人間の特質についての歴史的知見を調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、意識ならびに「わたし」について、確認しておくこと。 |
第5回 | 頭蓋内の「ゾンビ」? 【事前学習(80分)】心(精神)とはなにか、について調べ、考えておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、心と脳の生物物理学的研究の可能性について批判的に吟味してみること。 |
第6回 | 心(精神)と数学 【事前学習(80分)】数学的senseとはなにか、について考えておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、心(精神)と数学との関係性について、確認しておくこと。 |
第7回 | 「現実とはなにか?」という問いと数学的構造 【事前学習(80分)】世界に関する古典的な哲学的および物理学的知見を、概略的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、世界を、人間を考えるさいの、数学の意義について吟味しておくこと。 |
第8回 | 「わたし」が生きる世界と意識 【事前学習(80分)】「世界」に関する古典的な知見を調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、自己と「関係」の意味について確認しておくこと。 |
第9回 | 「人間的現実とはなにか?」 【事前学習(80分)】人間的世界=社会についての古典的知見を調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、人間的現実の捉え方および「意志」について確認しておくこと。 |
第10回 | 「自由とはなにか?」 【事前学習(80分)】自由についての歴史的知見を、概略的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、自由と自律について、誤解を払拭しておくこと。 |
第11回 | 「わたしと他者Ⅰ」 【事前学習(80分)】「他者」についての歴史的知見を、概略的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、具体的な場面での他者との関係のあり方を確認しておくこと。 |
第12回 | 「わたしと他者Ⅱ」 【事前学習(80分)】歴史的知見と前回の講義内容とを比較吟味しておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、他者との遭遇のさらなる具体層を確認しておくこと。 |
第13回 | 責任と道徳的良心 【事前学習(80分)】道徳についての歴史的見解を調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、責任のあり方と道徳的良心の問題性を確認しておくこと。 |
第14回 | もっとも身近な共同体としての家族 【事前学習(80分)】家族についての、歴史的見解を調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、家族はどうあるべきかについて、考えておくこと。 |
第15回 | 社会的現実性における「わたし」 【事前学習(80分)】市民社会観に関する歴史的見解を調べておくこと。 【事後学習(80分)】講義内容を踏まえて、「わたし」と現実性との関係について、吟味確認しておくこと。 |
その他
教科書 |
特に用いない。
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参考書 |
授業のなかで、適宜紹介するが、
(とりわけ後半では)G.W.F.ヘーゲル(上妻精・佐藤康邦・山田忠彰訳)『法の哲学』(岩波文庫、上・下、2021年)を参照することが望ましい。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業回数の1/3以上欠席した場合は、原則として評価対象外。 授業中に、リスポンス・シートの提出(30%)、 学期末に、(まとめ的)レポートの提出(70%)、 総合して、評価する。 |
質問への対応 | 講義後などに受けつける。 |
研究室又は 連絡先 |
yahecro@icloud.com yamada.tadaaki20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
まだまだ「人間」でありつづけたいとおもい、"La dolce vita" を欲する学生の受講を歓迎。 |