2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 哲学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 島村 修平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P64P |
クラス | 1年生は、交通システム工学科・建築学科・応用化学工学科の学生のみ。2年生以上は、学科による履修制限はない。 |
概要
学修到達目標 | この授業の学習目標は二つの柱から成ります。第一の柱は、物事を哲学的に考える技術を身に付けることです。哲学の主題は幅広く、その一部は思想や宗教と重なり、また別の部分では科学とも重なっています。それら他の分野と哲学を比べたとき、哲学の大きな特徴は、突き詰めると「できるだけゆっくり考える」という点にあります。つまり、自分の頭を使って普段当たり前だと思っていることを丁寧に問い直すという姿勢です。哲学ではそういうことを非常に長い間続けてきたので、そのための様々な技術が蓄えられています。 この授業の第二の柱は、具体的な哲学の問題に触れ、実際に哲学的に考えるトレーニングをするということです。この世界に本当に存在するものは何か、絶対確実な知識はありうるか、人生の意味とは何か。こうした問いは、哲学的思考を鍛える恰好の題材です。過去の哲学者の考えを手掛かりに、第一の柱で学んだ技術を生かして、自分なりの意見を表現してみましょう。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業です。 この授業には、講義の回と演習の回があります。 ●講義(「哲学の技術」と「哲学の議論」)の回(全7回) ・授業の冒頭でその回の要点を記載したハンドアウトを配布します。 ・各回の終わりにその回の中心的内容の理解を問う小テストを出題し、次の回の冒頭にその小テストの解説を行います。 ・成績評価の対象となる学期末の平常試験の70%は、各回の小テストの問題を中心に出題します。もし小テストの解説を聞いて分からない部分がある場合には、そのままにせず、必ずその日の内に質問に来てください。 ●演習(「哲学の問い」)の回(全3回) ・これらの回では、受講者であるあなた達自身が主役です。自分自身で立てた色々な哲学の問いに、サイレント・ダイアローグ(SD)という手法を使って受講者同士で取り組んでもらいます。SD時に限って、本来の開講時限でのオンタイム参加を推奨しますが、都合がつかない人は時間外で参加することも可能です。 ・平常試験の30%、自分で選んだ哲学的問いに対して自分の考えを述べる形式の論述問題です。その際、これらの回で考えた内容を素材として生かすことができます。 |
履修条件 | 履修条件はとくにありません。社会コミュニケーションサブメジャー・コース設置科目。 |
授業計画
第1回 | 授業目標と授業マップ 【事前学習(120分)】この授業のシラバスをよく読んでおく。 【事後学習(120分)】授業で配布したハンドアウトに目を通し、課題に取り組む。 |
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第2回 | 哲学と論理的思考 【事前学習(60分)】「哲学」や「論理的思考」という言葉に対して自分がどういうイメージを持っているかを振り返っておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第3回 | I 存在論:何があるのか? 哲学の技術①:論証の構造 【事前学習(60分)】「哲学」や「論理的思考」という言葉に対して自分がどういうイメージを持っているかを振り返っておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第4回 | 哲学の議論①:この世界にあるのは本当に物だけ?:哲学的ゾンビと知識論法 【事前学習(60分)】「心は物的世界の一部なのか」という問いに対する自分の考えをまとめておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第5回 | 哲学の議論②:言葉の意味はどこにある? 【事前学習(60分)】「言葉の意味とは何か」という問いに対する自分の考えをまとめておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第6回 | 哲学の問い①:何が存在するのか? 【事前学習(120分)】第4回と第5回の内容を参考に、存在に関して自分が不思議に思うことを問いの形にまとめておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第7回 | II 認識論:常識を疑ってみる 哲学の技術②:論証の評価と暗黙の前提 【事前学習(60分)】第3回のハンドアウトをよく復習しておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第8回 | 哲学の議論③:認識論と哲学的懐疑 【事前学習(60分)】これを疑う人はいないだろうと思われるような常識を探してみる。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第9回 | 哲学の議論④:昨日と自分と今日の自分は本当に同じ?:自我の同一性 【事前学習(60分)】「私を私たらしめているものは何か」という問いについて考えておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める |
第10回 | 哲学の議論⑤:自由な意志は存在しうるか?:決定論と自由意志 【事前学習(60分)】「自由に〇〇するとはどういうことか」という問いについて考えておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第11回 | 哲学の問い②:懐疑と向き合う 【事前学習(120分)】第8回から第10回までの内容を参考に、疑ってみたい(あるいは、擁護してみたい)常識的な考えを見つけておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第12回 | III 実践編:哲学を生かす 哲学の技術③:否定と条件文 【事前学習(60分)】第3回と第7回のハンドアウトをよく復習しておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第13回 | 哲学の技術④:価値に関わる論証 【事前学習(60分)】第3回と第7回のハンドアウトをよく復習しておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第14回 | 哲学の問い③:生きる意味について 【事前学習(120分)】「人が生きる意味」について自分の考えをまとめておく。第14回のための質問を考えておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第15回 | 平常試験とその解説 【事前学習(120分)】これまで学んだ内容をハンドアウトを用いて(とくに小テストを中心)に最終チェックしておく。また、自由論述に用いるSDの素材を準備しておく。 【事後学習(120分)】解説を踏まえ、自分の理解の不十分だった点を確認する。 |
その他
教科書 | |
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参考書 |
野矢茂樹 『論理トレーニング101題』 産業図書 2001年
NHK『ロンリのちから』製作班 『ロンリのちから』 三笠書房 2015年
金杉武司 『心の哲学入門』 勁草書房 2007年
山口尚 『クオリアの哲学と知識論証』 春秋社 2012年
W. G. ライカン 『言語哲学 入門から中級まで』 勁草書房 2005年
トーマス・ピンク 『哲学が分かる 自由意志』 岩波書店 2017年
戸田山和久 『知識の哲学』 産業図書 2002年
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験:100%。 内訳は、各回の小テストからの出題が55-60%、発展問題が10-15%、自由論述問題が30%。 |
質問への対応 | 授業中や授業後に質問しそびれた人は、下記のオフィスアワーに質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋キャンパス・5号館・532研究室 駿河台キャンパス・タワースコラ・S608研究室 連絡先:shimamura.shuuhei@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 12:20 ~ 13:00
火曜 船橋 12:30 ~ 13:10
金曜 駿河台 12:20 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
哲学的思考の技術が役に立つのは、哲学の問題を考えるときばかりではありません。周りの友達と何だか話がすれ違っていると感じるとき、雑誌の記事や本を読んでいてどこか変だと感じるけれどそれがどこなのかうまく言えないとき、大事な決断を下すために一歩ずつ納得して考えたいときなど、哲学的思考法が役立つ日常の場面は、じつはたくさんあります。この授業をきっかけに、物事をいつもより少しだけゆっくり考えてみることで開けてくる世界を一緒に覗いてみましょう。 |