2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
感性芸術学
ポリフォニーを探求する「中間領域」にいるために
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 勢力 尚雅 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P66F |
クラス | 1年生は、精密機械工学科・応用情報工学科・物理学科のみ。2年生以上は学科による履修制限はありません。 |
概要
学修到達目標 | ・心の多様な働きを理解し、その表現や解釈を通じて、世界のつながりを多角的に考えることができる。 ・気づいたこと、感じたこと、考えたことについて、様々な言葉を駆使して、表現することができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業。 芸術の本性と可能性について探究するだけでなく、創作と鑑賞における思考プロセスを多様な実例で追体験しながら、身のまわりの作品に立ち止まり、その効果や意味を読み解く目と、それを語る語彙を養います。 また、作者が作品に結実させた力とそれを可能にした表現の関係を観察・推理し、作品とのふれあいにおいて生じる出来事の行方をねばり強く探究するために、作品を媒介とした着眼力、観察力、対話力、思考力、表現力を鍛えます。 なお、探究に際しては、視聴覚教材等も使用し、作品の鑑賞も含みつつ検討していきます。 |
履修条件 | 感性、想像力、表現力、観察力などに関心のある学生。 文化教養サブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | イントロダクション …「合理主義」の綱を渡る孤独な「綱渡り師」をつなぎなおすデザインを求めて 【事前学習(80分)】 :この科目とその他の教養教育科目のシラバスを予め読み、何のために履修するのか、 自分にとって好きな作品や作家は何で.それはなぜか、予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
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第2回 | 「モダニズム」のなかで豊かな生のためアフォーダンスをどうデザインするか? … [ホフマイヤー/ベイトソン/ギブソン/レンゾ・ピアノ/伊東豊雄など] 【事前学習(80分)】 :①「モダニズム」のデザインを探し、その長所と短所を予め観察しておく。 ②みずからを媒介にして新たな関係性が増殖するようなデザインを予め探しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第3回 | 出会わなかったものと関わり再生する「広場」での祝祭に誘う呪術―対極主義 … [エリアーデ/カイヨワ/バタイユ/岡本太郎など] 【事前学習(80分)】 :①近代化のなかで失いがちな能力、再生すべき能力は何か、予め考えておく。 ②枠の外にある者と交流し再生する広場・祭に必要な工夫は何か、予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第4回 | 「廃墟へのプロセス」を幻視する演劇・遊歩への誘いとしてのデザイン …[ベンヤミン/ヤノベケンジ/坂口恭平など] 【事前学習(80分)】 :①身のまわりのキャラクターの世界観や効果について、予め考えておく。 ②①のキャラクターのさらなる活用法や、サブキャラについて、予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第5回 | 演劇的コミュニケーションを誘う「間」・「ムラ」のデザイン …[ヒューム/世阿弥/山崎正和/長谷川櫂/隈研吾/ヴェネチアなど] 【事前学習(80分)】 :①未来にも遺したい迷宮的・路地裏的なデザインを、予め探しておく。 ②通常は同居しえないコンセプトどうしのかけ算を、予め考案してみる。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第6回 | シンボルとメタファーの対立的共存―「精神の外化」としての芸術 …[プラトン/ヘーゲル/ル・コルビュジエ/佐藤久三郎など] 【事前学習(80分)】 :①あなたの好きな作品や作者の魅力や特徴をどう紹介するか、予め考えておく。 ②何度見ても飽きないデザインの秘密を探し、予め検証しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第7回 | シンボルの指し示す崇高な異界へと人々を誘う「異化」装置としてのデザイン …[ケルト文様/ミケランジェロ/カント/ゴシックの大聖堂/銀閣寺など] 【事前学習(80分)】 :①魅力的だけど少し怖い印象を受けるデザインを、予め探しておく。 ②ハッとさせられる体験を与えてくれるデザインを、予め探しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第8回 | デザインを媒介とした対話への「連」「座」―「幽玄」「さび」 …[重森三玲/坂部恵/観世寿夫/田中久文など] 【事前学習(80分)】 :①「何度でもはまりたい」という思った体験の特徴を、予め振り返っておく。 ②「かわいい」「すごい」などの言葉を使わずに表現することを、予め試みておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第9回 | 対位法的な様式―各自の「神話」を共に探究し続けるための三者協議への誘い …[サイード/グールド/アファナシェフ/村上春樹/西田幾多郎/ベイトソン] 【事前学習(80分)】 :①身のまわりの「定番的デザイン」の長所と短所を、予め探しておく。 ②身のまわりの「定番的デザイン」を大胆に変える提案を、予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第10回 | バロックとブランド演出力をささえるストーリーとそれを紡ぐ「アレゴリー」 …[ゲーテ/ベンヤミン/ヴィスコンティ/レンブラント/カラヴァッジョ/三島由紀夫] 【事前学習(80分)】 :①好きなブランドを選び、そのブランドが提案する価値観を、予め読み解いておく。 ②こんな時代だから誰に何を提案したいか、具体的に構想しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第11回 | 「パタン・ランゲージ」の有機的生成と構築による「無名の質」の共同探究 … [ベートーヴェン/アレグザンダー/横山禎徳/アリストテレスなど] 【事前学習(80分)】 :①部分が全体を、全体が部分を生かしあう点で完成度の高い作品を、予め探しておく。 ②「理想的な~」を実現するための細部とその連関を、予め構想しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第12回 | 精神分析的・遊戯的な聴きとりあいとしての「三者協議」 … [フロイト/ホフマンスタール/クリムト/クラウス/宮沢賢治/太宰治/カヴェルなど] 【事前学習(80分)】 :①自分の中に眠る「少数派の感覚」の主張に、予め耳を澄ましておく。 ②心の琴線に触れる作品に接したときに何が起きたか、予めよく想い出しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第13回 | 「常套句」に抗して別のポリフォニーを探求する「中間領域」にいるために …[マーラー/セザンヌ/クレー/中原中也/吉本隆明/李禹煥/ソーシャリー・エンゲイジッド・アート/インクルーシブデザインなど] 【事前学習(80分)】 :①過去にあったが廃れたもの・アイデアから再生できるものを、予め探しておく。 ②未来の技術や制度の連関としてありうるものを具体的に構想しておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第14回 | 創造的批評のための対話のスキル―「わざ言語」を誘発しあう中動態とは何か …[ガダマー/岡田暁生/内田樹/上野行一/ゴッホなど] 【事前学習(80分)】 :①好きな作品の欠点と、嫌いな作品の魅力や可能性を、予め探しておく。 ②作者が選ばなかった「別の選択肢」の組合せを、予めシミュレートしてみる。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。 |
第15回 | スペキュラティブ・デザインと芸術の終焉以後 …[ハイデガー/ダントー/塚田有那/長谷川愛など] 【事前学習(160分)】 :①「私の好きなデザイン」の魅力が伝わる着眼点、構成、表現を探る。 ②デザインを媒介とした共創的・遊戯的対話を日々実践する。 【事後学習(160分)】 :授業後、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、 それらを批判的に読みながら、今後考察し続けたい問いとその問いをめぐる考察を 洗練させ、その表現を他者に向けて試すこと。 |
その他
教科書 |
授業で紹介する資料を用います。
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参考書 |
毎回、授業時に紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
※授業回数の1/3以上欠席した場合は原則として評価対象外とします。 【オンライン授業のため、課題レポートの提出によって「出席」とカウントします。】 ※授業内課題レポートの得点を累計して成績をつけます。 各課題の留意点については授業内で解説をします。 |
質問への対応 | メールで質問してください。 |
研究室又は 連絡先 |
seiriki.nobumasa@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:20 ~ 13:00 532研究室(まずメールでお問い合わせください)
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学生への メッセージ |
※さまざまな文化・デザインを映像や図版で紹介します。 出来合いの理屈でかたづけてしまわずに、それらと出会って自分が何を感じるのか、 自分の心に耳を澄まし、自分の経験を拡大する時間にしてください。 |