2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 物理学Ⅰ | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 中原 明生 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | S26I |
クラス | 再履修 |
概要
学修到達目標 | 本講義では物理学の基礎である「ニュートン力学」を学ぶ。高校までの物理の学習は公式を覚えることが主だったかもしれないが、本講義では「物理学の考え方」を身に付けることに重きを置く。微積分やベクトルを用いることで、基礎となる「ニュートンの運動の3法則」から「力学現象の各公式」が論理的に導出される過程を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この授業は「オンデマンド型授業」として実施する。まずCSTポータルIIから説明動画を試聴し、次に課題レポートを解いて提出し、提出後に公開される模範解答の解説動画を視聴することで、自分がどこをわかっていなかったのか確認しながら授業内容の理解を深める。「ニュートン力学」の講義を行う際に、必要に応じて随時ベクトル・微積分・微分方程式などの数学の説明をおこなう。 |
履修条件 | 基礎教育科目。選択科目(一部の学科では必修科目)。 物理学 I 演習をすでに習得していない場合は本講義と並行して履修することが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス:この授業で「ニュートン力学」をどう学ぶのか説明する。 ニュートン力学おけるベクトルと微積分の必要性:スカラー量とベクトル量の区別、運動方程式を微分方程式としての表現する意味。 物理量の次元と単位。 数学的準備1:ベクトル、座標系(デカルト座標、極座標、円筒座標)、内積と外積。 課題レポートの提出。 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと。再履修科目なので、以前習った力学の授業の内容を一通り復習をしておくことが望ましい。ベクトル、座標系、内積と外積について復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
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第2回 | 数学的準備2:微分と積分。 位置ベクトル、変位ベクトル、速度、加速度の概念。 静止状態、等速運動、等速円運動、等速度運動、等加速度運動。 課題レポートの提出。 【事前学習】微分と積分について復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第3回 | ニュートンの運動の3法則:慣性の法則、運動方程式、作用・反作用の法則。 物体の運動を求めるプロセス:①物体の受ける力と座標系を図に示す、②運動方程式を立てる、③運動方程式を微分方程式として解く、④数学的に得られた解の意味する運動を物理として理解する。 運動量保存の法則。一様な重力を受ける質点の運動(1次元運動として自由落下)。 微分方程式の解法1:発見的解法。 課題レポートの提出。 【事前学習】ニュートンの運動の3法則と一様な重力を受ける物体の運動について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第4回 | 一様な重力を受ける質点の運動(2次元的運動として斜方投射)。 粘性抵抗力を受ける物体の運動。 微分方程式の解法2:積分を用いた解法。 課題レポートの提出。 【事前学習】斜方投射や粘性抵抗力を受ける物体の運動について予習・復習しておくこと(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第5回 | 一様な重力と粘性抵抗力を同時に受ける物体の運動(空気抵抗がある場合の落下運動)。 微分方程式の解法3:特性方程式を用いた解法。 課題レポートの提出。 【事前学習】空気抵抗がある場合の落下運動について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第6回 | 単振動:バネの復元力を受ける物体の運動。 単振動を解くための数学:複素平面、複素共役、オイラーの公式、2階線形微分方程式の解法。 課題レポートの提出。 【事前学習】単振動について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第7回 | 減衰振動、過減衰、臨界減衰、強制振動と共振:バネの復元力と粘性抵抗力と強制外力を同時に受ける物体の運動。 課題レポートの提出。 【事前学習】減衰振動、過減衰、臨界減衰、強制振動と共振について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第8回 | 仕事とエネルギー(前半):仕事の定義、運動方程式を経路に沿って線積分する(エネルギー積分)、運動エネルギー。 課題レポートの提出。 【事前学習】仕事の概念、エネルギー積分、運動エネルギーについて予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第9回 | 仕事とエネルギー(後半):保存力、位置エネルギー、勾配の概念、保存力と位置エネルギーの関係、力学的エネルギー保存の法則。 課題レポートの提出。 【事前学習】保存力、位置エネルギー、力学的エネルギー保存の法則について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第10回 | 回転運動と角運動量:回転運動の記述に適した円筒座標系における運動方程式の表現、回転運動の運動方程式、角運動量保存の法則。 課題レポートの提出。 【事前学習】回転運動と角運動量について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第11回 | 2体問題:力を及ぼし合う2個の質点の運動。 2体系の運動方程式の表現法:和(重心)の運動と差の運動としての表現、全運動量と全角運動量の時間変化としての表現。 衝突問題。 課題レポートの提出。 【事前学習】2体問題について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第12回 | 質点系:力を及ぼし合う質点集団の運動。 質体系の運動方程式の中から重要度の高い自由度の表現法:重心の並進運動と重心周りの回転運動としての表現、全運動量と全角運動量の時間変化としての表現。 課題レポートの提出。 【事前学習】質点系の運動について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第13回 | 剛体の運動(前半):剛体の運動方程式、剛体が静止するための条件、剛体の慣性モーメント。 課題レポートの提出。 【事前学習】剛体の運動を記述する方程式について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第14回 | 剛体の運動(後半):剛体の固定軸周りの回転運動、剛体の平面運動、歳差運動。 課題レポートの提出。 【事前学習】剛体の運動の具体例について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
第15回 | 相対運動:加速度運動をする座標系から見た物体の運動。 慣性力、回転するベクトルの時間変化を記述する方程式、回転座標系における運動方程式、遠心力とコリオリ力。 物理学 I の授業のまとめ。 課題レポートの提出。 【事前学習】相対運動、慣性力、遠心力、コリオリ力について予習・復習しておくこと。(120分) 【事後学習】授業で習った内容をきちんと復習すること。課題レポートの提出後には模範解答の解説動画が公開されるので、きちんと視聴し理解すること。(120分) |
その他
教科書 |
再履修の授業なので、すでにニュートン力学の教科書を持っている場合はまずその教科書を使用してください。
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参考書 |
原康夫 『物理学基礎(ISBN 978-4-7806-0525-9)』 学術図書 2016年 第5版
井口英雄、佐甲徳栄、相馬亘、中原明生 『改訂版 理工系のための力学(ISBN978-4-489-02319-4 C3042)』 東京図書 2019年 第1版
すでに持っているニュートン力学の教科書に書かれていない内容の説明があった場合は上記参考書を参照してください。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回提出する課題レポートの結果で評価する。 ※新型コロナウイルスの影響に伴い変更の可能性がある。変更の場合は授業時に伝達する。 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合、質問内容を整理し随時質問すること。メールやCSTポータルII「Q&A」などから質問を受け付けます。オフィスアワーには研究室でも質問対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎1号館3階131A室(後期は船橋校舎1号館耐震補強工事のため研究室が変更になる可能性あり) e-mail : nakahara.akio_AT_nihon-u.ac.jp(注:_AT_ を @ に変えてください) http://www.phys.ge.cst.nihon-u.ac.jp/~nakahara |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:15 ~ 13:15 1号館3階 131A室(オフィスアワーの部屋は変更の可能性あり)
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学生への メッセージ |
大学以降、身に付けるべき知識は数限りないので、公式の丸暗記という手法はいずれ破綻します。「理論的な考え方をきちんと身に付けていれば、少数の基礎法則から物理現象の様々な公式を論理的に導出することができる」という物理学の考え方を修得してください。 |