2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
歴史環境論
歴史的建造物の保存と再生・活用
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 3年 |
担当者 | 藤島 幸彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T16B |
クラス |
概要
学修到達目標 | この講座では都市を中心にした歴史的建造物の保存・再生・活用の実例を学び、現代社会における住まいと自然環境・文化環境・歴史環境との深い関わりを考察し、新しい環境観の形成に向けて今なすべき事は何かを見出すことができる。そのために歴史的建造物がどのように保護されているのか、保存活用でどんな効果があるのか、実例を通して検討する。そして、現代および未来の社会における歴史環境の必要性を確認することを最終目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業で、主に教科書を参照しつつ、分かりやすく解説する。(なお、初回・第2回は教科書を使わず、資料を提示しながら講義する。)また、その回のテーマに関する歴史的建造物(町家建築)や町並み景観の映像を写しながら、視覚的・実感的に理解できるようにする。毎回、その回に関する簡単な課題を出題し、小レポート・アンケートとして提出していただく。 |
履修条件 | ●専門的な予備知識は不要。暗記も不要。ただ、広い視野から歴史を現代社会へ生かすという意識を持つこと。 ●日本の古い店舗・住宅建築のデザインや構成の基本的知識に関心を持つこと ●まちづくり、文化財保護の予備知識 ※環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | はじめに 学問としての歴史環境論の意味と本講座の趣旨を解説 自然環境論と自然保護の関係を例にとりながら、歴史環境論と文化財保護の関係を考える。 【事前学習(80分)】この科目とその他の教養教育科目のシラバスを予め読み、何のために履修するのか、について予め考えておく。 【事後学習(160分)】授業後、ネット等で授業内で与えられた課題についての考察をまとめておくこと。 めておくこと。 |
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第2回 | 文化財の保存・再生・活用 東京駅丸の内駅舎・文京区千駄木の安田邸などの保存・再生・活用事例を紹介。また、教科書を使って主に紹介する町家と町並み保存についても概説する。 <予習>教科書『町家点描』の序言と目次に目を通し、教科書の構成を理解しておくこと (120分) <復習>授業で印象に残った町家の特色をノートにまとめる (120分) |
第3回 | 代表的な国の町並み保存地区(1) 滋賀県近江八幡市八幡(近江商人の本拠地・江戸時代さながらの町並み) <予習>教科書p.79~「近江八幡」 (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第4回 | 代表的な国の町並み保存地区(2) 金沢市・ひがしの茶屋街(城下町金沢の繁栄の面影を残す町並み) <予習>教科書p.181~「ひがしの茶屋街」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第5回 | 代表的な国の町並み保存地区(3) 京都市・嵯峨鳥居本(自然と調和した愛宕神社の門前町と郊外型町家) <予習>教科書p.49~「鳥居本の茶屋」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第6回 | 代表的な国の町並み保存地区(4) 名古屋市緑区有松(有松絞りの商人町・東海道の面影を残す町並み、全国町並み保存連盟発祥の地としての意義) <予習>教科書p.233~「尾張有松の竹田家」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第7回 | 代表的な国の町並み保存地区(5) 宮城県村田町(紅花商人の町・大震災からの復興を目指す町) <予習>教科書p.287~「宮城・村田町の大沼酒造」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第8回 | 歴史的建築・町並み活用事例(1) 京都市西陣地区・伏見地区(京都市内の代表的な庶民街。伝統産業の生きる町) <予習>教科書p.23~「西陣の帯屋捨松」、p.59~「伏見の酒蔵造松本家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第9回 | 歴史的建築・町並み活用事例(2) 京都市島原地区(旧遊郭街に残る文化財建築に見る芸術性とその文化的再生) <予習>教科書p.31~、p.41~「島原の輪違屋(1)(2)」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第10回 | 歴史的建築・町並み活用事例(3) 静岡県松崎町(なまこ壁の町並み・映画やテレビドラマのロケ地としての活用) <予習>教科書p.253~「伊豆下田の鈴木家」に目を通す(120分) ※主テーマの松崎に関してはp.262に書かれているので注意すること。 <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第11回 | 歴史的建築・町並み活用事例(4) 岡山県倉敷市下津井(北前船の港町の面影を残し、歴史景観再生に取り組む町) <予習>教科書p.111~「下津井の荻野家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第12回 | 歴史的建築・町並み活用事例(5) 福井県坂井市三国町(北前船の港町、空き家の再生活用を通して観光整備の進む町) <予習>教科書p.143~「越前三国の宮太旅館」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第13回 | 歴史的建築・町並み活用事例(6) 長野県須坂市(北信濃の交通の要衝・豪商の館や蔵造りの町並み) <予習>教科書p.201~、p.211~「今井家」「田中本家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第14回 | <レポート提出日>この日までに、レポートをネットで提出すること。(平常試験に相当する) <理解度確認期間> これからの環境観の形成に向けて 祇園祭に欠かせない京町家としての重要性を検討する。 <予習>教科書p.315~p.319「町家は生活と共に生きているー祇園祭と京町家-」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる (120分) |
第15回 | 理解度確認期間のまとめと期末レポートの解説 福岡県柳川市(北原白秋ゆかりの町・運河観光の町)を事例に取り上げる。 <予習>教科書p.131~「柳川の北原白秋生家」に目を通すこと。 (120分) <復習>レポート解説を振り返り、自己採点してみる (120分) |
その他
教科書 |
藤島亥治郎・藤島幸彦 『町家点描』 学芸出版社 2016年 第7版
教科書には歴史を伝える町家の写真と図面が多数掲載されている。また、歴史的町家を取り巻く生活文化や環境の特色が解説されている。必ず購入し、授業に持参すること。授業でも極力参照・活用しており、課題作成や理解には欠かせない。長く保存活用していただける本である。この点を納得した上で有効に活用してほしい。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
期末レポートと平常点で評価する。レポート課題は6月中に発表する。町並み保存を中心にした歴史的文化財の「保存・再生・活用」をテーマとしたレポートを求めるので、オンライン授業をしっかり聴講して授業の筋道を理解し、教科書とノートを使いこなして努力すれば、合格点は取れ易いように配慮する。(逆にオンライン授業に集中しない、毎回の課題を提出しない、教科書も買わないのであれば期末レポートは難しいだろう。) |
質問への対応 | メールで気軽に質問してほしい。出来る限りお答えする。ただし、メールでの質問は、授業内容以外の事務所教務課等が対応すべき内容、および評価結果の質問には返信しない。 また、CSTポータルⅡの「Q&A」及び「掲示板」を設ける。 |
研究室又は 連絡先 |
fujishima.yukihiko20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
専門科目以外の教科書を買うことや、講義を聴くことを負担に思う者の受講はお勧め出来ない。この授業では暗記は不要。受講生一人一人が「そこに“町家がある”歴史景観」に関心を持ち、歴史的環境を見出していただければと思う。 あくまでも選択科目であるから、上記の授業内容・教科書・評価方法等をよく吟味して、納得した上で登録していただきたい。 環境論の授業にふさわしいように、授業環境の向上に協力してほしい。 |