2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
教)数学科教育法Ⅰ
中学校数学教育の現在
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 相田 紘孝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y26B |
クラス | 数学科以外の学生用クラス |
概要
学修到達目標 | (1) 中学校の数学教育について、現在の目標、身につけるべきとされる能力、カリキュラムの構造とその歴史的変遷、授業において活用することが期待されるICT機器やサービスを理解している。 (2) 中学校の数学教育の内容について、小学校算数や高校数学、さらには数学の学問的な研究との関係とともに理解している。 (3) 中学校の数学教育の方法について、探究的な教材の開発、シナリオ形式の授業計画の作成と模擬的な実践、さらにはその経験を生かした簡易な学習指導案の作成を行うことを通じて、現代において求められる数学教育の技法を習得している。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「オンデマンド型授業」 ・授業の質の確保のために、時間割通りの曜日時限において、受講生と授業担当者がZoom等を用いて同時双方向的にコミュニケーションを取る機会を設定する。参加しなくても成績判定において不利益が生じることはないが、受信環境や受講環境が許す限りは参加してもらいたい。 ・新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて、授業形態及び授業方法を変更することがある。 |
履修条件 | 中・高教員免許(数学)取得のための必修科目(新課程) この授業は、数学科以外の学生用の科目である。数学科の学生で、時間割の都合によってこのクラスの履修を希望する場合は、第1回の授業開始前もしくは授業終了後に速やかに担当教員に相談すること。 ※旧課程の学生は、「教科教育法Ⅰ」に加えて「教育課程論」の履修が必要である。編入学生や科目等履修生で新・旧課程の区分が分からない場合は、教務課窓口に確認すること。 |
授業計画
第1回 | 中学校数学教育の現在 【事前学習】自分が中学校で受けた数学教育について、おもしろかったことや、高校や大学での学習や活動に生かすことができたこと、学校外での活動や生活において生かすことができたことを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】自己紹介と事前学習でまとめておいたことの紹介を兼ねた動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
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第2回 | 現代のコンピテンシー論と中学校数学教育の目標 【事前学習】『中学校学習指導要領解説 数学編』の第1章「総説」の数学科の目標に関する部分と第2章第1節「数学科の目標」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業で紹介されたコンピテンシー論を踏まえて、中学校数学において重視すべきキー・スキルと、それを学ぶためにふさわしい内容について、自分の考えをまとめておく。(180分) |
第3回 | 中学校数学教育の内容と構造の歴史的変遷 【事前学習】『中学校学習指導要領解説 数学編』の第1章「総説」の数学科の内容に関する部分と第2章第2節「数学科の内容」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に指摘された資料を参考に、小学校算数および高校数学との連携について、自分の考えをまとめておく。(180分) |
第4回 | 中学校数学における教材開発および授業の方法、ならびにICTの活用 【事前学習】小学校から現在までの数学の学習において、活用したことのあるICT機器やサービスを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介された教材開発の方法を応用して、自分で教材を開発してみる。(180分) |
第5回 | 現代の数学教育における評価/シナリオ形式の授業計画の特徴 【事前学習】自分がこれまで受けた数学のテストで、おもしろかったものを思い出して、まとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介した評価の理論と方法を参考にして、テストと評価基準を作成してみる。(180分) |
第6回 | 「数と式」分野の指導1:数の体系 【事前学習】「(負の数)×(負の数)=(正の数)」となることについて自分はどのような説明を受けたのか、思い出しておく。(60分) 【事後学習】数の体系に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第7回 | 授業動画の講評/「数と式」分野の指導2:文字式と方程式 【事前学習】「方程式は、文字をイコールの左側に、数をイコールの右側にまとめれば解ける。イコールをまたぐときは符号を変えておく。」という主張に対する有効な反論を考えておく。(60分) 【事後学習】文字式と方程式に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第8回 | 授業動画の講評/「図形」分野の指導1:測定、作図、論理的構成 【事前学習】「図形の問題の答えは、面倒な計算や証明をしなくても、測ればすぐわかると思う。」という主張に対する有効な反論を考えておく。(60分) 【事後学習】作図に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第9回 | 授業動画の講評/「図形」分野の指導2:三平方の定理 【事前学習】三平方の定理の証明を3種類以上考えておく。(60分) 【事後学習】三平方の定理に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第10回 | 授業動画の講評/「関数」分野の指導1:事象の変化とグラフ 【事前学習】ともなって変わる二つの量が比例、反比例、比例以外の1次関数、原点を通る2次関数になる事象の例をそれぞれ考えておく。(60分) 【事後学習】事象の変化に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第11回 | 授業動画の講評/「関数」分野の指導2:事象のモデル化 【事前学習】ともなって変わる二つの量が比例、反比例、(比例以外の)1次関数、原点を通る2次関数のいずれにもならない事象の例を考えておく。(60分) 【事後学習】事象のモデル化に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第12回 | 授業動画の講評/「データの活用」分野の指導1:統計的思考と統計的探究プロセス(PPDACモデル) 【事前学習】Microsoft Excelを用いた箱ひげ図の書き方を調べておく。(60分) 【事後学習】PPDACモデルを活用した教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第13回 | 授業動画の講評/「データの活用」分野の指導2:確率の定義 【事前学習】「天気予報は昨日も今日も「降水確率50%」で、昨日は雨だったから、今日は晴れますね。」という主張に対する有効な反論を考えておく。(60分) 【事後学習】確率の定義に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当者は、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYoutubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第14回 | 授業動画の講評/シナリオ形式の授業計画を生かした学習指導案の作成 【事前学習】今まで執筆してきたシナリオ形式の授業計画を見直して、さらに発展させたいと自分が思うものを選んでおく。(60分) 【事後学習】授業中に説明されたポイントを参考にして、簡易な学習指導案を作成する。(180分) |
第15回 | 学習指導案の相互批評 【事前学習】簡易な学習指導案の特徴を説明する準備をしておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介された事例を参考に、簡易な学習指導案を完成させる。(180分) |
その他
教科書 |
西村圭一・太田伸也 『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』 東京学芸大学出版会 2018年
文部科学省 『中学校学習指導要領解説(平成29年告示)数学編』 日本文教出版株式会社 2018年
文部科学省 『高等学校学習指導要領解説(平成30年告示) 数学編 理数編』 学校図書株式会社 2019年
文部科学省 『小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編』 日本文教出版株式会社 2018年
なお、『中学校学習指導要領解説(平成29年告示)数学編』、『高等学校学習指導要領解説(平成30年告示) 数学編 理数編』、『小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編』は、以下の文部科学省ウェブサイトよりダウンロード可能である。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
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参考書 |
岡本和夫(他)(編) 『未来へ広がる数学1 (61 啓林館 数学 732) [978-4-402-00059-2]』 啓林館
岡本和夫(他)(編) 『未来へ広がる数学2 (61 啓林館 数学 832) [978-4-402-00061-5]』 啓林館
岡本和夫(他)(編) 『未来へ広がる数学3 (61 啓林館 数学 932) [978-4-402-00063-9]』 啓林館
宿題を実施する際の参考にするために、中学校3学年分の数学の教科書を用意しておくこと。中学校時代に使用したものでかまわない。購入する場合は、上記の出版社のものを推奨する。ただし、上記のものは、2020年度以前の学習指導要領に基づくものである。教科書番号やISBNも2020年度版のものである。2021年度から完全移行する中学校新学習指導要領に基づくものを購入することが望ましいが、購入できるようになるのは、2021年5月頃からであるので、注意すること。
購入場所は、以下から調べることができる。
http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu
それ以外に、必要に応じて資料を配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
以下の4点の条件をすべて満たすことが、成績評価の対象者となる条件である。4点のうち1点でも満たさなかった場合は、成績評価の対象外と判断し、「E」評価(判定不可)となる。 (1) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上について、「授業後の振り返り」を締切までに提出し合格している。 (2) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上について、宿題を締切までに提出し合格している。 (3) 模擬授業に相当する活動(授業の動画の作成を予定)を実施している。 (4) 最終レポート(簡易な学習指導案を予定)を締切までに提出している。 対面授業であれば「欠席届」が発行されるような事態や、本人の責任ではないような理由で授業の受講が困難になる事態に見舞われた場合については、具体的な事情を聞き取った上で、配慮を行う。 ・成績評価の方法と割合 最終レポート:100% 最終レポートの内容と評価基準については、受講生の実態を踏まえた上で決定する。具体的には、授業中盤に説明する。 フィードバックは主に以下の方法で行う。 各回の宿題や質問:次週以降の授業の実施時 最終レポート:電子システムへの講評の掲示 ※ 新型コロナウイルスの影響に伴い変更の可能性がある。変更の場合は授業時に伝達する。 |
質問への対応 | 下記の連絡先宛に送ってもらえば、適宜対応する。 なお、連絡を取る際は、本人確認を容易にするために、科目名、曜日時限、学科、学生番号、氏名の5点を必ず記入すること。 |
研究室又は 連絡先 |
勤務先メールアドレス:hiroaida[at]tsc.u-tokai.ac.jp その他の連絡手段については、第1回の授業で説明する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・中学校数学の復習の授業ではないので、中学校数学の内容を網羅することはない。中学校数学の知識の習得は自分で行うこと。 ・授業外の準備がかなり多い授業なので、そのつもりで受講し、スケジュール管理を行っておくこと。 ・受講生の人数や理解度・習熟度に応じて授業の内容や構成を変更することがある。 |