2021年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
教)数学科教育法Ⅱ
高校数学教育の現在
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 相田 紘孝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y36B |
クラス | 数学科の学生用クラス |
概要
学修到達目標 | (1) 高校の数学教育について、現在の目標、身につけるべきとされる能力、その評価の方法、カリキュラムの構造とその歴史的変遷、授業において活用することが期待されるICT機器やサービスを理解している。 (2) 高校の数学教育の内容について、中学校の数学教育や大学教養課程水準の数学、さらには数学の学問的な研究との関係とともに理解している。 (3) 高校の数学教育の方法について、探究的な教材の開発、シナリオ形式の授業計画の作成と模擬的な実践、さらにはその経験を生かした簡易な学習指導案の作成を行うことを通じて、現代において求められる数学教育の技法を習得している。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「オンデマンド型授業」(一部同時双方向型と対面型を含む) ・教科教育法の授業として技術指導を含む必要があるため、授業の質を確保するためは、受講生と授業担当者が十分なコミュニケーションを取ることが必要です。よって、オンデマンド型を基本としつつも、一定回数については、時間割通りの曜日時限において同時双方向型授業を行います。ただし、その際は、様々な受講環境を想定して、録画を行い後日視聴を可能にします。 ・同時双方向型で実施する回に同時双方向で参加しなかったこと自体によって成績判定上の不利益が生じることはありません。もちろん、録画記録を後日十分に視聴せず、質問なども行わないことによって授業の内容が十分に理解できなかったり技術を十分に高めることができなかったりして、その結果として課題を望ましい水準で実施することができず、成績も低くなる、ということはあります。自分の責任において判断してください。 ・前述の趣旨を達成するために、第14回と第15回の授業は対面型で実施する可能性があります。詳細は授業の12月頃にお伝えします。 ・新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて、授業形態及び授業方法を変更することがあります。 |
履修条件 | 中・高教員免許(数学)取得のための必修科目 この授業は、数学科の学生用の科目です。数学科以外の学生で、時間割の都合によってこのクラスの履修を希望する場合は、第1回の授業が始まる以前に担当教員に必ず連絡してください。 |
授業計画
第1回 | 高校数学教育の現在 <遠隔・オンデマンド型> 【事前学習】自分が高校で受けた数学教育について、おもしろかったことや、大学での学習や活動に生かすことができたこと、学校外での活動や生活において生かすことができたことを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】自己紹介と課題の解答を兼ねた動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
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第2回 | 現代のコンピテンシー論と高校数学教育の目標 <遠隔・オンデマンド型> 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第1節「改訂の経緯及び基本方針」、第1章第2節1「数学科改訂の趣旨」、第1章第3節「数学科の目標」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業で紹介されたコンピテンシー論や各種データを踏まえて、将来社会において求められるコンピテンシーを身につけるためにふさわしい高校数学の教育方法について、自分の考えをまとめておく。(180分) |
第3回 | 現代の数学教育における評価の改革 <遠隔・オンデマンド型> 【事前学習】自分がこれまで受けた数学のテストで、形式や内容が独特であったものを思い出して、まとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介した評価の理論と方法を参考にして、テストと評価基準を作成してみる。(180分) |
第4回 | 高校数学教育の内容と構造の歴史的変遷 <遠隔・オンデマンド型> 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第2節2「数学科改訂の要点」と第4節「数学科の科目構成」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に指摘された資料を参考に、社会において創造的に生きていくために必要な高校数学教育と、大学における学習のために必要な高校数学教育、そしてその両立について、自分の考えをまとめておく。(180分) |
第5回 | 高校数学における教材開発および授業の方法、ならびにICTの活用 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】小学校から現在までの数学の学習において、活用したことのあるICT機器やサービスを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介された教材開発の方法を応用して、自分で教材開発を試してみる。(180分) |
第6回 | シナリオ形式の授業計画の特徴/平面幾何の指導/三角比の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】中学校の平面幾何と高校の平面幾何の違いについて、自分の考えをまとめておく。また、「三角比」と「三角関数」という、似たような2種類の用語が存在する理由と、その意味の違いについて、自分の考えをまとめておく。(60分) 【事後学習】多様な場合を統合するような平面幾何の教材を含むシナリオ型の授業計画、もしくは、三角比を用いた測量に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第7回 | 授業動画の講評/座標平面と線型計画法の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】数式を座標平面上の図形として表すことでわかりやすくなる問題と、図形に対して座標を設定して数式で表すことによってわかりやすくなる問題の例を考えておく。また、「線型計画法」という言葉の意味について調べておく。(60分) 【事後学習】幾何の問題について座標平面を用いた解法と用いない解法を比較するような教材を含むシナリオ型の授業計画、もしくは、線型計画法に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第8回 | 授業動画の講評/数え上げ組合せ論と確率の定義の指導/原因の確率の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】順列・組合せの問題で、扱っている対象や表現が異なっているにもかかわらず同じ考え方で解くことができるものを複数挙げ、その特徴を比較しておく。また、「原因の確率」の何が誤解を生みやすいのかについて、自分の考えを整理しておく。(60分) 【事後学習】数え上げ組合せ論に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画、もしくは、原因の確率に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第9回 | 授業動画の講評/記述統計、統計的思考、統計的探究プロセス(PPDACモデル)の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】自分が小学校・中学校・高校自体に受けた統計に関する授業の内容を思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】記述統計に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画、もしくは、PPDACモデルを盛り込んだ活動の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第10回 | 授業動画の講評/推測統計の指導(推定と検定) <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】「30回投げた際に1の目が3回出るサイコロ」と「300回投げた際に1の目が30回出るサイコロ」では精密さに違いがあると言えるのかどうか、自分の考えをまとめておく。(60分) 【事後学習】推定あるいは検定に関する教材を含むシナリオ型の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第11回 | 授業動画の講評/指数・対数関数と指数関数的に増加・減少する現象の指導/三角関数(円関数)と円運動の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】指数関数的に増加したり減少したりする現象や、円運動が組み合わさった現象の例を考えておく。(60分) 【事後学習】指数関数的増加・減少に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画、もしくは、円運動の教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第12回 | 授業動画の講評/ベクトルと斜交座標、パラメーター表示、空間座標の指導/行列と一次変換、多変数関数の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】大学における線形代数の授業を思い出し、高校のときに学んでおけばよかったと思うことをまとめておく。(60分) 【事後学習】斜交座標、パラメーター表示、空間座標を用いた図形や領域の表現に関する教材を含むシナリオ形式の授業計画、もしくは、多変数関数とみなせる教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第13回 | 授業動画の講評/無限小量と微分と積分の指導 <遠隔・同時双方向型を予定> 【事前学習】極限を求める際に登場する「限りなく近づく」という表現について、結局のところどのぐらい近ければ「限りなく近づいている」と言えるのか、自分の考えをまとめておく。(60分) 【事後学習】無限小量と近似について考えさせるような教材を含むシナリオ型の授業計画、もしくは、現象の特徴量の最大・最小や変化の累積について微分や積分を使って考えさせるような教材を含むシナリオ形式の授業計画を作成する。発表担当グループは、それに加えて、作成したシナリオに従った動画を作成し、学生用のYouTubeアカウントを用いて限定公開する。(180分) |
第14回 | 授業動画の講評/シナリオ形式の授業計画を生かした学習指導案の作成 <遠隔・同時双方向型を予定:対面型への変更の可能性有り> 【事前学習】今まで執筆してきたシナリオ形式の授業計画を見直して、さらに発展させたいと自分が思うものを選んでおく。(60分) 【事後学習】授業中に説明されたポイントを参考にして、簡易な学習指導案を作成する。(180分) |
第15回 | 学習指導案の相互批評 <遠隔・同時双方向型を予定:対面型への変更の可能性有り> 【事前学習】簡易な学習指導案の特徴を説明する準備をしておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介された事例を参考に、簡易な学習指導案を完成させる。(180分) |
その他
教科書 |
西村圭一・太田伸也 『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』 東京学芸大学出版会 2018年
文部科学省 『高等学校学習指導要領解説(平成30年3月告示)数学編 理数編』 学校図書株式会社 2019年
文部科学省 『中学校学習指導要領解説(平成29年3月告示)数学編』 日本文教出版 2018年
『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』は、主に自習用に用います。
また、『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示)解説 数学編 理数編』および『中学校学習指導要領(平成29年3月告示)解説 数学編』は、以下の文部科学省ウェブサイトよりダウンロードできます。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
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参考書 |
高橋陽一郎(編) 『詳説 数学I ー改訂版ー (61 啓林館 数I 324) [978-4-402-00221-3]』 啓林館
高橋陽一郎(編) 『詳説 数学II ー改訂版ー (61 啓林館 数II 324) [978-4-402-00224-4]』 啓林館
高橋陽一郎(編) 『詳説 数学III ー改訂版ー (61 啓林館 数III 319) [978-4-402-00227-5]』 啓林館
高橋陽一郎(編) 『詳説 数学A ー改訂版ー (61 啓林館 数A 324) [978-4-402-00231-2]』 啓林館
高橋陽一郎(編) 『詳説 数学B ー改訂版ー (61 啓林館 数B 322) [978-4-402-00234-3]』 啓林館
根上生也(編) 『数学活用 (61 啓林館 数活 302) [978-4-402-00237-4]』 啓林館
宿題を実施する際の参考にするために、高校の数学I・II・III・A・Bの教科書を用意しておいてください。高校時代に使用したものでかまいません。購入する場合は、参考書として掲載しているものを推奨します。同じ出版社から同じ科目について複数の教科書が出版されているので注意してください。
購入場所は、以下から調べることができます。
http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu
それ以外に、必要に応じて資料を配布します。
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成績評価の方法 及び基準 |
以下の3点の条件をすべて満たすことが、成績評価の対象者となる条件です。3点のうち1点でも満たさなかった場合は、成績評価の対象外と判断し、「E」評価(判定不可)となります。 (1) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上について「出席」している。 なお、「出席」とは、当該回の「活動」、「授業後の振り返り」、「宿題」をすべて期限内に実施して合格していることを意味します。一つでも不合格があれば当該回は「欠席」となりますので、一つたりとも気を抜かずに実施してください。 (2) 授業の動画の作成(模擬授業に相当する活動)を実施している。 (3) 最終レポート(簡易な学習指導案を予定)を締切までに提出している。 対面授業であれば「欠席届」が発行されるような事態や、本人の責任ではないような理由で授業の受講が困難になる事態に見舞われた場合については、具体的な事情を聞き取った上で、配慮を行います。 ・成績評価の方法と割合 最終レポート:100% 最終レポートの内容と評価基準については、受講生の実態を踏まえた上で決定します。具体的には、授業終盤(予定では第14回)に説明します。 フィードバックは主に以下の方法で行います。 各回の宿題や質問:次週以降の授業の実施時 最終レポート:電子システムへの講評の掲示 ※ 新型コロナウイルスの影響に伴い変更の可能性があります。変更の場合は授業時に伝達します。 |
質問への対応 | 下記の連絡先宛に送ってもらえば、適宜対応します。 なお、連絡を取る際は、本人確認を容易にするために、科目名、曜日時限、学科、学生番号、氏名の5点を必ず記入してください。 |
研究室又は 連絡先 |
勤務先メールアドレス:hiroaida[at]tsc.u-tokai.ac.jp その他の連絡手段については、授業開始前および第1回の授業で説明します。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・高校数学の復習の授業ではないので、高校数学の内容を網羅することはありません。高校数学の知識の習得は自分で行ってください。授業を受講することで、自分の高校数学の理解の実態が見えてくると思います。 ・授業外の準備がかなり多い授業なので、そのつもりで受講し、スケジュール管理を行ってください。重々承知だと思いますが、オンデマンド型授業の方が、受講生ごとの時間管理能力の差が達成度に影響します。 ・受講生の人数や理解度・習熟度に応じて授業の内容や構成を変更することがあります。 |