2021年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 | 化学Ⅱ | ||
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設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 木屋 幸蔵 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E32Q |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 化学が研究対象とする物質の構造や性質そして反応を調べるために、物理学的な手法を用いる学問分野を物理化学という。またその理論的な基礎をなす分野として、量子化学、化学熱力学、化学反応論があげられる。本講義では主に化学熱力学と化学反応論を学習対象とし、さらにそれを応用分野である化学工学を学ぶための基礎知識にできることを目標とする。 科目ナンバリング:MFmIs-224 |
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授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】授業は基本的にプロジェクターによる資料(図表)共有と板書を併用した形で進める。さらに授業内容定着のために演習を毎回実施し、実施した次の回の授業で解説する。 【オンライン授業】毎回水曜日2限の該当時刻からZoomによるオンライン授業を実施する。(ZoomのURLはCSTポータルⅡで確認すること。ミーティングID:4706270385)CSTポータルⅡ上に各回の授業資料を公開するので、Zoomによる授業までに出力し用意すること。また毎回演習を実施するので、決められた締め切り時刻までにCSTポータルⅡ上でPDFを提出すること。 |
履修条件 | 高校数学(理系大学受験レベル)の微積分の計算知識は必須である。 |
授業計画
第1回 | 【授業内容】熱と仕事(膨張仕事) 内部エネルギー 熱力学第一法則 【事前学習】教科書(1)p148~150、p153~154を予習しておく。(100分) 【事後学習】熱力学における系と外界の区別、プラス・マイナスの符号のつけ方、「する」・「される」の区別をきちんと理解する。(120分) |
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第2回 | 【授業内容】定圧熱容量 定容熱容量 エンタルピー 【事前学習】教科書(1)p154~158を予習しておく。(100分) 【事後学習】微分方程式の式の変形・誘導の仕方に慣れる。(120分) |
第3回 | 【授業内容】熱化学方程式と反応エンタルピー 標準反応エンタルピー 標準生成エンタルピー 化学工学におけるエネルギー収支の考え方 【事前学習】教科書(1)p162~171、教科書(2)p24~27を予習しておく。(100分) 【事後学習】高校で学習した熱化学方程式の表し方と反応エンタルピーを用いた表し方の違いを確認する。(120分) |
第4回 | 【授業内容】化学工学における物質収支の考え方 反応率(反応完結度) 【事前学習】教科書(2)p13~p24を予習しておく。(100分) 【事後学習】授業で扱った例題の計算を自分で分かりやすい形にまとめ直す。(120分) |
第5回 | 【授業内容】4つの熱力学的過程(定容・定圧・等温・断熱過程) p-V線図 可逆過程・不可逆過程の意味と考え方 【事前学習】教科書(1)p151~153、p159~161、p173~175を予習しておく。(100分) 【事後学習】可逆過程と不可逆過程での、p-V線図における膨張仕事の量の違いをきちんと理解する。(120分) |
第6回 | 【授業内容】エントロピーの定義 4つの熱力学過程におけるエントロピー変化 【事前学習】教科書(1)p180、p182~p183、p185~p186を予習しておく。(100分) 【事後学習】4つの熱力学過程ごとにエントロピー変化を求める式の変化・誘導を自分で理解しやすい形にまとめ直す。(120分) |
第7回 | 【授業内容】クラウジウスの不等式 熱力学第二・第三法則 化学反応と標準エントロピー・標準反応エントロピー、【事前学習】教科書(1)p180~p188を予習しておく。(100分) 【事後学習】可逆過程と不可逆過程の違いと移動する熱量との関係を理解し直す。(120分) |
第8回 | 【授業内容】ギブズ自由エネルギー マクスウェルの関係式(一部のみ) ギブズーヘルムホルツの式 【事前学習】教科書(1)p190~195を予習しておく。(100分) 【事後学習】化学反応におけるエントロピー変化とギブズ自由エネルギー変化の関係を式で見直す。(120分) |
第9回 | 【授業内容】水の状態図 相平衡 蒸気圧 クラペイロンの式 クラウジウスークラペイロンの式 アントワン式 【事前学習】教科書(1)p195~199、教科書(2)p10~12を予習しておく。(100分) 【事後学習】水の状態図の見方および状態図における融解曲線、蒸気圧曲線の形をもう一度確認しておく。(120分) |
第10回 | 【授業内容】ギブズ自由エネルギーの温度・圧力依存 沸点上昇・凝固点降下 化学ポテンシャルと化学平衡 【事前学習】教科書(1)p199~200、p202~204を予習しておく。(100分) 【事後学習】沸点上昇・凝固点降下などの溶液の束一的性質がギブス自由エネルギーの変化から定性的に説明できる過程を図で確認する。(120分) |
第11回 | 【授業内容】反応進行度 反応ギブズ自由エネルギー 圧平衡定数 濃度平衡定数 【事前学習】教科書p208~p213を予習しておく。 【事後学習】ギブズ自由エネルギーと化学ポテンシャルの関係を式の誘導でもう一度確認しておく。(120分) |
第12回 | 【授業内容】ファントホッフの式 ルシャトリエの原理 【事前学習】教科書(1)p214~p216を予習しておく。(100分) 【事後学習】今回の学習内容が高校化学で学習した平衡の移動方向の考え方と一致するかを確認してみる。(120分) |
第13回 | 【授業内容】1次反応速度式 2次反応速度式 半減期 【事前学習】教科書(1)p225~230を予習しておく。(100分) 【事後学習】式の変形・誘導を自分で理解しやすい形にまとめ直す。(120分) |
第14回 | 【授業内容】反応速度の温度依存性(アレニウス式、活性化エネルギー) 【事前学習】教科書(1)p235~237を予習しておく。(100分) 【事後学習】学生実験の「反応速度(1次反応)」の結果と考察の計算を見直す。(120分) |
第15回 | 確認テストとその解説 全体的な振り返り 【事前学習】授業第1回目から14回目までの内容と演習を十分に復習しておく。(420分) 【事後学習】解答できなかった問題をもう一度調べ直す。(100分) |
その他
教科書 |
真下清 他 『物理化学入門』 東京教学社
日秋俊彦 他 『標準 化学工学Ⅰ』 朝倉書店
教科書(1):『物理化学入門』の6章~10章および12章と教科書(2):『標準化学工学Ⅰ』の2章の内容を扱う。各授業回で指示したページをあらかじめ読んで、疑問点や不明点を明らかにしておくこと。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
確認テスト(60%)、授業への出席状況・取り組む姿勢(20%)、演習(20%) 授業への出席および演習の提出が総授業時間数の3/5に満たない場合は履修放棄として取り扱い、成績の査定は行わない。 【令和2年度成績分布状況】S:23%,A:6%,B:19%,C:29%,D:23% |
質問への対応 | 授業中、授業終了後に教室で質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館838号室 E-mail:kiya.kouzo@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
物理化学では化学反応式や化合物の性質に類するものはほとんど扱われず、数式や計算が中心で微積分等の数学的知識も必要です。また化学のどの分野でも言えることですが、積み重ねの学習が大切です。毎回の出席を心がけ、暗記だけに頼らない本当の理解を目指してください。授業では分かりやすい板書、話し方を心がけます。皆さんは真面目な学習態度で授業に臨んでください。 |