2021年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅵ
(非線形連続体力学)
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小林・小田・岩野 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 水曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A35A A36A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 現在のコンピュータによる構造物、地盤、流体等の解析の基盤となっている、固体や流体等を、統一的に扱う連続体力学について、大変形も考えて、連続体力学を構成する応力・歪み、連続体の一般的支配方程式、弾性体、弾塑性体等の構成式の基本が理解できる。研究所で構造物の安全性の検討を行った経験をもとに、そのような解析への適用も考えて授業を行う。 また、第14回及び第15回の講義では、企業の第一線で活躍する技術者を講師として招き、実務における構造物の非破壊検査について講義を行う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面講義 主としてパワーポイントを使用して講義を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
授業内容を復習し、不明な点があれば質問または参考書等で調べる。 線形代数の基礎、微分学の基礎について、必要に応じ、受講前、あるいは授業と並行して学習しておくことが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 授業の説明:連続体とは何か、数値シミュレーションとの関連、授業の進め方、学習目標、評価法,および単純な線材を例にとり、非線形ひづみの考え方ついて述べる。 |
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第2回 | 数学の予備知識その1:一般的な非線形の方程式の数値解法では、方程式の局所的な微分とそれに基づく線形化が必要となる。ここでは1次元構造の線形化と方向微分、多次元解析の基礎となるベクトルとテンソルの基本についてのべる。 |
第3回 | 数学の予備知識その2:連続体の各種方程式の表現のためのベクトルとテンソルの微分と積分について説明する。多次元の線形化と方向微分について説明する。簡単な課題を出すので次の講義までに仕上げてくる。 |
第4回 | 3次元トラス構造その1:トラスの内力と構成式、その線形化につぃてのべる。連続体の変形の表現とそれから導かれる変形テンソルについて説明する。 |
第5回 | 3次元トラス構造その2:超弾性体、弾塑性体からなるトラスに関して、その構成式、およびつり合い方程式とその解法についてのべる。簡単な課題を出すので次の講義までに仕上げてくる。 |
第6回 | 多次元での変形の記述その1:ベクトルとテンソルをもちいて、多次元の物体の変形、ひずみの表現についてのべる。 |
第7回 | 多次元での変形の記述その2:多次元の物体の変形量の微分と線形化,時間変化の表現についてのべる。簡単な課題を出すので次の講義までに仕上げてくる。 |
第8回 | 応力と力のつり合いその1:大変形における各種の応力とつり合い方程式について述べる。 |
第9回 | 応力と力のつり合いその2:大変形における応力に対応する非線形ひづみの組み合わせと応力速度について述べる。 |
第10回 | 超弾性体その1:ゴムのような大変形時でも弾性を保つ超弾性体の構成式について述べる。 |
第11回 | 超弾性体その2:超弾性体のひずみが大きくなった場合にも表現できる特殊な構成式についてのべる。簡単な課題を出すので次の講義までに仕上げてくる。 |
第12回 | 弾塑性体その1:荷重を取り除いても残留ひずみをが残る弾塑性体について構成式の基本を述べる。 |
第13回 | 弾塑性体その2:大変形における弾塑性体の構成式について説明する。 |
第14回 | 非破壊試験実施の背景:コンクリート構造物の非破壊試験は,施工時(新設構造物)の品質管理,既設構造物の維持管理に適用されている。なぜ,非破壊試験が適用されるようになったのか,その背景について説明する。 |
第15回 | 各非破壊試験の種類と測定原理:コンクリート構造物の非破壊試験には多くの手法がある。主な非破壊試験方法の測定原理と適用条件を説明し,どの様な試験に利用されているのか,どの様な結果が得られるのかについて説明する。 |
その他
教科書 |
特に教科書は指定せず、配布資料等に基づいて説明するが、主として資料1と、一部、より詳しい資料2の内容も加える。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
3)J.Bonnet,R.D.Wood著、非線形CAE協会監訳 『非線形有限要素法のための連続体力学』 森北出版株式会社 2017年 第2版
4)EA de Souza Neto他著、寺田賢二郎監訳中村喜代次、森教安 『非線形有限要素法』 森北出版会社 2012年 第1版
資料1)は、有限要素法への応用を念頭に置いた近代的な連続体の基礎理論が述べられている。資料2)には有限要素法への適用にかかわる最近の発展が詳細にのべられている。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中に出す簡単な課題(50%)と最終課題(レポート)による。 |
質問への対応 | 授業後に行う。またはメールでの質問も可能。 |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:kobayashi.yoshikazu@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:10 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
近年の構造物の設計等は、コンピュータで行われるが、その基礎理論を理解して使用する必要がある。連続体理論は、それらコンピュータによる解析の基礎となっているので、習得してもらう事が望まれる。 |