2021年 大学院理工学研究科 シラバス - 海洋建築工学専攻
設置情報
科目名 | 海洋開発政策特論 | ||
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設置学科 | 海洋建築工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 近藤(健)・山本 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D13A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 海洋開発はアメリカのJFケネディが大統領選挙の際に提唱されたニューフロンティア政策の一つであった。その後、冷戦時代を経て急激に技術開発が進み、中国の台頭を経て新たな情報社会を迎えてから、海の秩序が急激に変わってきている。そこで、本講座では技術と政策の視点で新たな海の秩序を理解しつつ、グローバルな視点で、自律して自ら考え自ら行動する基礎的能力を修得することを本講座の目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は原則として対面式の授業形態とする。授業方法としては、毎回一つの課題についてパワーポイントを用いてわかりやすく講義したうえで、課題にかかわる人、制度、技術について質疑し討議するものである。討議のテーマはシラバスに沿って展開するので、学生は事前にシラバスを読み、パソコンや書籍などを用いて関連する資料を収集し事前学習を勧める。また授業の最後では、受講者全員が教員が提起する課題についてまとめ、全員の前でプレゼンすることを義務とする。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
海洋開発政策とは海洋開発技術と政策という目標によって人類の平和と豊かさとを享受する道筋であるので、資源開発の技術史、海洋開発史、戦後の国家政策の変遷史、国連海洋法、我が国の海洋政策及び計画について、資料を収集し分析し、その社会背景について広い視点から考察してほしい。是非、新聞を購入して、毎日の政治、金融、社会、科学の動向と変化に注目して、その現象がどのように出現するのかを洞察してもらいたい。 |
授業計画
第1回 | 【ガイダンス:授業内容及び成績評価についての説明】 ガイダンスにおいて担当者の自己紹介を行ったうえで、海洋開発とは、海洋政策とは、公共政策、防衛政策、環境政策、軍事的プレゼンスについて概説し、本講座の意義と目標について説明する。また、成績評価についても解説する。 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
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第2回 | 海上都市の系譜:歴史に残された水上生活、生命財産の保護と危機回避活動、海に居住するための技術、世界で初めての海に浮かぶ氷の構造物、海上空港の曙と人間の挑戦意欲(ファースト・ペンギン)、地球人口100億人の時代と海洋開発、ハワイの海上都市開発、レアメタルと海底火山活動(再生される鉱物資源)、1滴の海水からどのような海洋生物がいるのかを判別する技術(①学生へのレポート課題) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第3回 | 戦後の国策プロジェクト:治山治水から全国総合開発計画、限られた国家財政と復興計画、全国総合開発計画の正と負の遺産、バブル時代の分析(土地とマネー、そして知的所有権)、人類の社会と技術革命(農業革命、定住革命、都市革命、産業革命、第3の波、情報革命、次世代の革命) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第4回 | 21世紀の社会資本整備:軍需的力の配分、中国の一体一路政策(陸のシルクロードと海のシルクロード)、資源の収奪(貧困国家の搾取)、海洋の資源(水資源、食料資源、鉱物資源、空間資源)、ITとIOTの役割と海洋開発、資源は有限か無限か、新しい社会資本の分類(②学生へのレポート課題) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第5回 | 海洋法の歴史的変遷:海は誰のものか、バイキングからコロンブスまでの航海の歴史、海洋航海の技術(天体航法、緯度経度の計測、羅針盤と時計)、トルディシャス条約(世界はスペインとポルトガルによって二分化)、中華人民共和国の野望(太平洋をアメリカと中国による二分化) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第6回 | 国際海洋法:坂本龍馬といろは丸事件(万国公法)、国際海洋法の契機はアメリカのトルーマン宣言、日本の漁獲高世界1の謎(領海3海里をフルに利用して他国の12海里を蚕食)、領海の距離は大砲の飛距離(戦艦大和の45センチ砲の威力)、時代の趨勢を読めない過去の日本、アメリカに追従する現代日本、新しい海洋秩序(③学生へのレポート課題) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第7回 | 水辺の都市再生:Jラウスの賑わい理論、都市ウォーターフロント再開発、フェスティバル・マーケット(アウトレット)、地球総人口100億人の時代対応と地球温暖化、小泉内閣の都市再生と財政の集中投資、安倍内閣の政策(少子高齢化対策、医療保険費の高騰と財政難と人生100歳時代)、過疎地域(消滅集落)、英国のプレジャーピア(ヘルスツーリズムの曙) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第8回 | 海洋のインバウンド計画:クルーズ船の誘致と港湾整備、クルーズ船の変遷史、クルーズ船の経済効果、レジャー・レクリエーション・リゾートの定義、イギリスのブライトン市の成功事例、スーパーヨット・メガヨットの定義、海洋のインバウンドのインフラとは、沿岸都市を活性化する新しい方法 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第9回 | 海上都市の系譜:アームストロングのシードローム(海上空港)、菊竹清訓の海上都市「大海原」計画、フラーの「東京湾海上都市」計画、沖縄海洋博覧会、米国200年祭とハワイ州海上都市計画、未来の海上都市の目的とは(⑥学生へのレポート課題) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第10回 | 海洋立国論:我が国を取り巻く海洋資源(エネルギー資源、鉱物レアメタル資源、食料資源)、海のプレゼンス(空母は必要なのか)、日本の最大の戦略兵器とは、竹島と尖閣諸島の戦略的位置づけ、日本の新しい海洋プロジェクト(海の架け橋) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第11回 | なぜ今、沿岸域総合管理が必要か?:日本の国土、東京湾埋め立ての変遷、沿岸部の急速な発展、米国カリフォルニア州サンフランシスコ湾地域の沿岸域管理、サンフランシスコ湾の環境変遷の経緯、環境と調和した沿岸域利用を促進する沿岸管理法 (マッカティア・ペトリス法) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第12回 | 国際的な沿岸域管理への取り組み:海洋に関する総合的・計画的取り組み、沿岸域総合管理の国際行動計画「アジェンダ21」、国連プロジェクト「東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)」、我が国の沿岸域管理の取組み、海岸法、全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」、海洋基本法 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第13回 | 海の管理:沿岸域の社会的特性、防災と国土保全、国土保全を目的とした各種管理行為、海岸法における海岸保全施設(海岸事業)、海岸保全施設の種類と役割、伝統的海洋利用としての漁業と海運、我が国の漁業管理(漁業権等)、国際海洋法(国連海洋法条約等)、漁業における漁獲可能量制度 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第14回 | 海運と港湾:漁港の種類、漁業政策の課題、海運(海上輸送の確保)、シーレーン、通関貿易、港湾の運用、港湾機能 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、理解できなかった箇所を次回の授業で質問できるようにしておくこと。(120分) |
第15回 | 新しい海洋プロジェクトの提案:パワーポイント15枚以内によるプレゼンテーションと1枚のレジュメ提出、自分で海洋開発政策課題を提起して、各種資料を収集分析しオリジナル性の高いテーマを設定すること。(近藤、山本による講評) 【事前学習】シラバスの内容を熟読して、授業内容についてよく理解しておくこと。(120分) 【事後学習】授業内容について理解を深め、これまでの授業を振り返り授業内容を整理しておくこと。(120分) |
その他
教科書 |
特に教科書は用いない。事前に課題を提起するので事前に資料取集・分析し、教員とのディベートに備えること。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
秋道智彌・角南篤 『海の生物の多様性を守るために』 人と海の関係学② 西日本出版社 2018年年 第1版
海にあふれるプラスティックゴミ、拡大する外来生物、失われる海の多様性について現場に精通した研究者、行政、NPO関係者が取りまとめたもので、今後の海ゴミについて迫るものである。
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成績評価の方法 及び基準 |
評価の方法として、「最終授業でのプレゼンテーション」50%と「レポート提出」「ディベート参加と意見の内容」を総合して評価する。どの項目も1/3以上の欠席・未提出・不参加の場合はウイズドロー(不可の評価となる)。 |
質問への対応 | 授業中でも終了後でも口頭及びメールによる質疑応答を歓迎する。 |
研究室又は 連絡先 |
近藤健雄 E-mail:kondo.takeo@nihon-u.ac.jp 山本和清 E-mail:yamamoto.kazukiyo@nihon-u.ac.jp 研究室:13号館6階1362A室、電話番号:047‐469-5483 |
オフィスアワー |
月曜 船橋 15:00 ~ 16:30 近藤(健)・山本
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学生への メッセージ |