2021年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 機械工学特別講義Ⅰ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 太田 稔 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F23A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | ものづくりの基本的なプロセスである,材料設計,精度設計,工程設計という3つプロセスについて基本的な考え方を理解するとともに,特に,設計と精度および加工方法の関連について理解を深めることによって,実際のものづくりに適用できる実践的ものづくり力としてのプロセスデザイン力を養うことができる. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 設計から製作までのものづくりプロセスの流れに沿って,材料設計,精度設計,工程設計の3つのプロセスについて,それぞれのプロセスごとにパワーポイントと板書による講義の後に,課題提示,プレゼンテーションによる課題発表,討論・解説というサイクルをローリングしながら進めて行く.課題は自動車会社での研究開発の経験をベースにした部品設計から製作までの実践的プロセスを想定した課題とする. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部科目の「機械設計製図」・「機械工作実習」(必修科目)に加えて,ものづくり関連科目として,「機械工作法Ⅰ」,「機械工作法Ⅱ」,「機械の材料」,さらには「精密加工学Ⅰ」,「精密加工学Ⅱ」,「塑性と加工」などを修得していることが望ましい.また,事前にシラバスの内容を確認しておくこと. |
授業計画
第1回 | ガイダンス,プロセスデザイン概論 授業の概要・目的や意義,授業の進め方などのガイダンスを行う.また,授業の柱となるプロセスデザインについて概説する. 【事前学習】学部のものづくり関連必修科目の振り返り,シラバスの確認.(1時間) 【事後学習】プロセスデザイン概要の復習.(1時間) |
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第2回 | 材料設計Ⅰ(機械材料の基本的特性) 工業製品の出発点となる機械材料の基礎を振り返り,種類,用途,機械的特性などについて講義する. 【事前学習】配布プリント(材料設計Ⅰ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(材料設計Ⅰ)の復習.(1時間) |
第3回 | 材料設計Ⅱ(機械材料の加工特性) 各種機械材料を部品に適用する場合の材料設計指針,及び各種機械材料の加工特性について講義する.自動車部品を題材としたレポート課題①「材料設計」提示. 【事前学習】配布プリント(材料設計Ⅱ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(材料設計Ⅱ)の復習及びレポート課題への取組み.(3時間) |
第4回 | 材料設計Ⅲ(部品機能と材料設計) 所望の部品機能と材料選定や熱処理,表面処理などの材料設計との関係について講義する. 【事前学習】配布プリント(材料設計Ⅲ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(材料設計Ⅲ)の復習及びレポート課題への取組み.(3時間) |
第5回 | 精度設計Ⅰ(部品機能と加工精度) システムの性能や部品機能を満足するために,要求仕様と加工精度を考慮して,個々の部品の形状精度や寸法精度に落とし込むための考え方について講義する. 【事前学習】配布プリント(精度設計Ⅰ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(精度設計Ⅰ)の復習及びプレゼンテーション資料作成.(4時間) |
第6回 | 演習①「材料設計」の発表,討論及び解説 レポート課題①「材料設計」のパワポによるプレゼンテーションとディスカッション及び解説. 【事前学習】プレゼンテーション資料の作成と準備.(3時間) 【事後学習】討論及び解説内容の復習.(1時間) |
第7回 | 精度設計Ⅱ(加工方法と加工精度) 各種加工方法を加工精度面から特徴ずけ,加工精度とその加工精度を設計に反映する方法について講義する.自動車部品を題材としたレポート課題②「精度設計」提示. 【事前学習】配布プリント(精度設計Ⅱ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(精度設計Ⅱ)の復習及びレポート課題への取組み.(3時間) |
第8回 | 精度設計Ⅲ(加工工程と加工精度) 要求精度を満足するための加工方法や加工機械,加工順序の選択など,精度設計に必要な加工工程の考え方について講義する. 【事前学習】配布プリント(精度設計Ⅲ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(精度設計Ⅲ)の復習及びレポート課題への取組み.(3時間) |
第9回 | 工程設計Ⅰ(工程設計の基礎) 図面から実際に“もの”として具現化するまでの加工順序,加工方法,加工条件などの加工の全体及び詳細をデザインする工程設計の基礎について講義する. 【事前学習】配布プリント(工程設計Ⅰ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(工程設計Ⅰ)の復習及びプレゼンテーション資料作成.(4時間) |
第10回 | 演習②「精度設計」の発表,討論及び解説 レポート課題②「精度設計」のパワポによるプレゼンテーションとディスカッション及び解説. 【事前学習】プレゼンテーション資料の作成と準備.(3時間) 【事後学習】討論及び解説内容の復習.(1時間) |
第11回 | 工程設計Ⅱ(加工方法と工程設計) 各種加工方法で加工できる形状や寸法,加工精度について,特に機械加工法を中心に講義する.自動車部品を題材としたレポート課題③「工程設計」提示. 【事前学習】配布プリント(工程設計Ⅱ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(工程設計Ⅱ)の復習及びレポート課題への取組み.(4時間) |
第12回 | 工程設計Ⅲ(工程設計の具体的手法) 自動車部品などを題材として,どのようにして目的に合致した合理的なプロセスをデザインしたら良いか,その具体的な手法について講義する. 【事前学習】配布プリント(工程設計Ⅲ)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(工程設計Ⅲ)の復習及びレポート課題への取組み.(4時間) |
第13回 | プロセスデザインとプロセスプロデュース 研究開発に対応できるプロセスデザインと創造的ものづくりのためのプロセスプロデュース論について講義する. 【事前学習】配布プリント(プロセスプロデュース)の予習.(1時間) 【事後学習】講義内容(プロセスプロデュース)の復習及びプレゼンテーション資料作成.(4時間) |
第14回 | 演習③「工程設計」の発表,討論及び解説 レポート課題②「工程設計」のパワポによるプレゼンテーションとディスカッション及び解説. 【事前学習】プレゼンテーション資料の作成と準備.(3時間) 【事後学習】討論及び解説内容の復習.(1時間) |
第15回 | 総合討論,総合解説 講義全体とレポート課題①,②,③に関わる総合的な討論及び解説. 【事前学習】講義,演習全体の質問事項の整理.(2時間) 【事後学習】総合解説内容の復習.(1時間) |
その他
教科書 |
配布プリントを主体に進める.教科書なし.
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
監修:実際の設計研究会,著者:稲城正高,米山猛 『設計者に必要な加工の基礎知識』 実際の設計選書 日刊工業新聞社 1999年年 第初版版
その他,参考となる書籍については最初の授業で紹介する.
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成績評価の方法 及び基準 |
課題①,②,③のレポートの評価(60%)及び演習におけるプレゼンテーション,ディスカッションの評価(40%)により総合評価する. |
質問への対応 | 授業中あるいはレポート課題取り組み時に理解できないところがあった場合,授業時,オフィスアワーあるいはメール等で質問に対応する. |
研究室又は 連絡先 |
最初の授業の際に通知. |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 11:00 ~ 13:00 非常勤講師室に在席
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学生への メッセージ |
自動車会社での実務経験を活かしながら,講義と演習(プレゼンテーション,ディスカッション,解説)を通して,創造的実践力を養います. |