2021年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 |
機械工学特別講義Ⅱ
ダイナミックデザインアナリシス
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊藤 博幸 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F44A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 車両や産業機械等の製品の開発、および動的問題の解決において、世の中の現場で実用されつつある動的設計解析(ダイナミックデザインアナリシス)技術について、その現状と概略を学ぶことにより、そのベースとなっている大学での基礎教育の有用性、必要性を再認識することを、本講義の目的としている。 従って、学習到達目標は、ここで概説する解析技術を習得することではなく、その元になっている基礎理論・知識を、今一度、復習し、理解を深めることにある。 |
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授業形態及び 授業方法 |
担当講師が体験した製品開発における動的問題解決等の実例も交えて、講義プリントに基づき、演習問題を含めたパワーポイント使用の講義形式。 本年度(令和3年度)の授業は、全15回とも、対面授業での実施を予定しています。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
次回講義予定の講義プリントを前週までに配布します。予習して不明点等を整理しておくとともに、その基礎となっている工業数学や工業力学を復習しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 授業の概要説明。製品開発におけるダイナミックデザインとその必要性。 どのようなときに問題が発生するか。 動的問題の事例 【事前学習】学部課程の「工業力学」について復習しておく(120分) 【事後学習】製品開発における実機試験やバーチャルプロトの役割について整理(90分) |
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第2回 | ダイナミックデザインアナリシスに必要な基礎的な知識 自由振動、強制振動、フーリェ解析、伝達関数、固有振動特性、防振、制振、等 【事前学習】学部課程の「振動工学」について復習しておく(120分) 【事後学習】必要な基礎知識について整理、まとめを行う(120分) |
第3回 | 振動の評価法と基準・規制 試験法、計測と分析、人間への影響、公害振動、機器の耐振性・強度、精密加工精度 【事前学習】事前配布のテキスト3章について予習しておく(120分) 【事後学習】動的問題の試験・評価法について整理、まとめを行う(90分) |
第4回 | 実験的解析技術 時系列解析、サンプリング定理、スペクトル解析、次数比解析、実験モード解析 【事前学習】統計学の復習、事前配布のテキスト4章について予習しておく(120分) 【事後学習】特にスペクトル解析、モード解析について復習し、理解を深める(120分) |
第5回 | 理論的数値解析技術 1Dシミュレーション、マルティボディ解析、有限要素法、非線形現象とその解析法 【事前学習】線形代数の復習、事前配布のテキスト5章、6章について予習しておく(120分) 【事後学習】モード自由度による応答解析法について復習し、理解を深める(120分) |
第6回 | モデルの縮退と部分構造の合成 伝達関数モデルとモーダルモデル、伝達関数合成法、部分モード合成法 【事前学習】事前配布のテキスト7章について予習しておく(120分) 【事後学習】各モデリング手法について復習し、理解を深める(120分) |
第7回 | 実物と仮想モデルのハイブリッド解析 ハイブリッドモデルの部分構造合成法、 ハイブリッド実時間解析 HILS(Hardware in the loop simulation) 【事前学習】事前配布のテキスト8章について予習しておく(60分) 【事後学習】ハイブッド解析の有効性について整理する(60分) |
第8回 | 様々な実稼動現象の応答解析法 強度設計と信頼性、剛性設計と振動・騒音・乗り心地および動的加工精度の解析 【事前学習】工業数学の復習、事前配布のテキスト9章について予習しておく(120分) 【事後学習】現象別応答解析法について整理、まとめを行う(120分) |
第9回 | 振動寄与度および振動伝達経路の解析 固有振動モードの寄与度指標、応答スペクトル、伝達関数合成による経路寄与度 【事前学習】事前配布のテキスト10章について予習しておく(120分) 【事後学習】振動問題要因解明の指標について、復習し、理解を深める(120分) |
第10回 | 感度解析と構造変更、および最適設計 固有値感度、応答感度、実験モデルを用いた構造変更予測、 探索的最適化・数理的最適化手法 【事前学習】事前配布のテキスト11章について予習しておく(120分) 【事後学習】設計感度および構造最適化手法について、復習し、理解を深める(120分) |
第11回 | 機械の起振力同定および起振力低減技術 逆問題の解き方、エンジン起振力、部品境界力、駆動系、低振動モーションの設計 【事前学習】事前配布のテキスト12章について予習しておく(120分) 【事後学習】逆問題による起振力の求め方、低減法ついて、整理、まとめを行う(120分) |
第12回 | 機械の駆動・制御系で生じる動的問題とその解析法 PID制御等のサーボ系と、減速機、弾性可動体からなる系のモデル化と、連成した解析 【事前学習】制御工学の復習、事前配布のテキスト13章について予習しておく(120分) 【事後学習】サーボ系で生じる動的問題ついて、整理、まとめを行う(120分) |
第13回 | 防振・制振設計および制振制御系設計と、防振・制振装置 マウントやダンパー、免振装置、アクティブ制振装置、モーション制御等の設計解析 【事前学習】事前配布のテキスト15章について予習しておく(120分) 【事後学習】様々な防振制振法ついて、整理、まとめを行う(120分) |
第14回 | 振動・音信号情報に基づく振動解析及び機械の異常診断 特徴量抽出法、スペクトル法、伝達関数法、健全性評価 【事前学習】事前配布のテキスト16章について予習しておく(60分) 【事後学習】機械のモニタリング、異常診断法について、整理、まとめを行う(60分) |
第15回 | 復習、まとめ、理解度確認、課題提出 【事前学習】これまでの全講義で、理解または理解できなかった部分をまとめる(120分) 【事後学習】ダイナミックデザインアナリシスのベースとなっており、大学課程で学ぶ基礎理論・知識は何か、今一度、再認識する(120分) |
その他
教科書 |
前週までに、授業で使う講義資料を配布します。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
本年度は、対面授業のため、4回の演習問題と最終の課題レポート提出を持って評価します。 随時実施の演習問題(4回) 60% 最終の課題レポート(1回) 40% |
質問への対応 | CSTポータル若しくはメールで対応 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先、メールアドレス等は、初回講義およびCSTポータルにてお知らせします。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
将来、動く機械に関わる仕事に携わるひとは、必ずと言っていい程、振動をはじめとする動的な現象に起因する多くの問題に出くわします。その場合、どのような技術で対応しているのか、さらに、その基礎となる理論・知識として、学生時代に何を身に付けておく必要があるかを、学び取ってください。 |