2021年 大学院理工学研究科 シラバス - 精密機械工学専攻
設置情報
科目名 | 応用数学Ⅰ | ||
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設置学科 | 精密機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山本 修一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G53A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 最小2乗法に基づくデータ解析(回帰直線,勾配降下法,深層学習)とフーリエ解析(フーリエ級数,フーリエ変換)を学ぶ。特に,概念から導かれる式が実際に適合する状況を数式処理ソフト マスマティカ で観察しながら知識のイメージ化を培養し,情報社会で期待される数学の即効的な応用力を身に付ける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は対面授業で,配布プリントを使用しマスマティカを補助的に活用しながら講義を行う。授業で使用するプリントは,予習用として数日前にcstポータルから配布する(授業教室でのプリント配布は感染リスクを回避するために原則行わない)。 万一,対面授業が不可能になった場合は (1)授業内容は通常授業と同じ。(2)授業は無償でサービスされるクラウド等を活用する。授業開始時に配信する授業サポートプリント(学び方や閲覧する動画、復習用の問題が記載される)に従って各自授業プリントの内容を深めることになる。(3) 授業のフィードバック(復習問題の解法,内容理解の把握)はクラウドやメールを通して行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
準備学習(授業の予習)計画の第2回以降の授業では使用するプリントは事前に配布されるので,そのプリントをノートに書き写して授業に臨むようにすること。特に学部の1年で使用した微分積分学,線形代数学の教科書にある内容や先の授業の内容が予習に含まれることもあるので授業計画の中ではそれを予習事項として特記する。 (授業の復習,復習内容の記載があるときは120分)毎回の授業計画の中に記載される。復習では主に授業内容をより深めるための問題が提示される。ただし,問題解法はマスマティカ等の数理処理ソフトを使用してよい。 予習と復習の時間は合計240分で,復習の記載がない場合は予習だけで240分とする。 予備知識:微分積分学,線形代数学を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 単位取得に係わる説明(準備学習とレポート課題について)および授業の特徴とポイントを具体例で示し,この授業における応用数学Ⅰの学び方を提示する。 復習:これから学ぶ内容のキーワード(例えば,最小2乗法,深層学習,フーリエ係数,フーリエ級数,フーリエ変換など)について,他の授業との関連性を調べたり,参考書やネット検索などによってどんな内容かを調べること(240分) |
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第2回 | 最小2乗法と回帰直線(離散的なデータの回帰直線)について学ぶ。 予習事項:偏微分(微分積分学の教科書224ページ~228ページ及び243ページ~248ページ),行列の積と逆行列(線形代数学の教科書53ページ~59ページおよび101ページ~105ページ) 復習:回帰直線の計算(配布プリント) |
第3回 | 勾配降下法(数列を用いて関数が最小値をとる値を見つける手法)について学ぶ。 予習事項:全微分(微分積分学の教科書229ページ~230ページ),数列(微分積分学の教科書180ページ~185ページ) 復習:最小値をとる値を求める数列の作成(配布プリント) |
第4回 | 深層学習の考え方(教師データを用いたニューラルネットワークの最適化)について学ぶ。 |
第5回 | 深層学習の実際(教師データの例や誤差逆伝播法を用いたニューラルネットワークの重みやバイアスによる偏導関数の計算法について学ぶ) 予習事項:合成関数の偏微分法(微分積分学の教科書233ページ~237ページ) 復習:重みやバイアスによる偏導関数の計算(プリント配布) |
第6回 | 三角関数の性質と役割(三角関数の和や積のグラフ,微分法のイメージ,三角関数の積の定積分の性質等を動画を補助的に使用しながら,三角関数の重要性について学ぶ) 予習事項:部分積分法(微分積分学の教科書233ページ~237ページ) |
第7回 | 三角多項式とフーリエ係数(関数を閉区間において与えられた有限個の三角関数の和で最小2乗近似する方法を通して,フーリエ係数という概念を導く) 予習事項:異常積分(微分積分学の教科書164ページ~167ページ) 復習:三角多項式の計算(プリント配布) |
第8回 | フーリエ級数展開1(周期 2π(パイ) をもつ関数であれば,そのフーリエ係数を求めることで三角関数の和として表現できることをマスマティカを活用して視覚的に実感しながら学ぶ) 復習:関数のフーリエ級数展開の計算(プリント配布) |
第9回 | フーリエ級数展開2(複素表示および一般形)について学ぶ。 復習:関数の複素表示のフーリエ級数展開の計算(プリント配布) |
第10回 | フーリエ級数展開の実践的理解(具体的な関数を通してフーリエ級数展開を計算する。さらにフーリエ係数が正しく計算されれば,それを用いたフーリエ級数展開が与えられた関数に近づくことをマスマティカを用いて視覚的に検証しながらフーリエ級数展開について深かめる) 予習事項:関数のフーリエ級数展開の計算例(第7,8,9回の復習プリント) |
第11回 | フーリエ変換1(周期関数でない関数に対して,三角関数を用いた無限積分で表現できる場合があることを学び,フーリエ余弦(正弦)変換およびフーリエの積分公式について学ぶ) 予習事項:定積分の定義(微分積分学の教科書146ページ~149ページ)および無限積分(微分積分学の教科書167ページ~168ページ) 復習:フーリエ変換の計算(プリント配布) |
第12回 | フーリエ変換2(フーリエの積分公式の複素表示とフーリエ逆変換について学ぶ) 予習事項:三角関数の加法公式,オイラーの式(高校の教科書または第6回の授業プリント) 復習:関数の複素表示のフーリエ変換の計算(プリント配布) |
第13回 | フーリエ変換の実践的理解(偶関数の例を通して,フーリエ余弦変換を計算する。さらにフーリエ余弦変換が正しく計算されれば,それを積分公式に適用することで与えられた関数に近づくことをマスマティカ を用いて視覚的に検証しながらフーリエ変換とは何かを深く理解する) 予習事項:フーリエ変換の計算例(第11回の復習プリント) 復習:フーリエ変換の計算および検証(プリント配布) |
第14回 | デジタルからアナログへ(フーリエ離散変換と,その応用としてデジタルデータを三角関数によって補間できることを学ぶ) レポート課題の内容を発表する。 復習:レポート課題に取り組む(240分) |
第15回 | レポート(課題)の回収およびレポート課題に対する解答を マスマティカ を補助的に用いて示し,その内容をさらに深める。発展として,フーリエ変換の性質と積分方程式への応用について言及する。 |
その他
教科書 |
特に使用しない
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
谷川明夫 『フーリエ解析入門』 共立出版 2007年 第初版
E.クライツィヒ 『フーリエ解析と偏微分方程式』 技術者のための高等数学3 培風館 2007年 第8版
上の参考資料については、さらに深く理解するために利用してほしい。
なお,この授業の予習事項として,学部1年で使用した教科書
微分積分(矢野・石原編,裳華房),新線形代数(大日本図書)
を利用する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート課題(提出することが単位取得のための必要条件になる)で 60パーセント,授業における平常点(予習・復習など授業に対する取り組み状況,またはフィードバックの回答状況)を 40 パーセントの割合で評価し,GPA制度の基準に従って合否および優劣を総合的に評価する。 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合,質問内容を整理し紙に書いてオフィスアワー時に手渡しするか,連絡先にあるメールアドレスへ送付すること(推奨)。メールで回答するのでそのときは希望する送付先のメールアドレスをわかりやすく記入すること。 |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:yamamoto.shuichi20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 船橋 14:50 ~ 15:00 14 号館 1 階講師室
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学生への メッセージ |
受講に対する注意 (1)授業に関するあらゆる連絡(不測の変更事項等)や資料の配布は cstポータルになるので,受講を希望する場合は受講の手続きを早めにし対応できるようにすること。 (2)使用するクラウドの ID 登録やメールアドレス通知等の作業は,第1回目の授業で配布されるプリントの内容に従って準備すること。 (3)授業内容を深く理解するため(問題解法を含む)に自分でマスマティカを操作することが望ましいので,クラウドを通したマスマティカまたは無償のCDFプレーヤーの活用を推奨する。受講に当たっては安定したインターネット接続とパソコン使用が望ましい。不測の事態が起こった場合,このことは必須事項になるので注意すること。 |